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JR貨物/三井不動産 「東京レールゲートEAST」竣工 東京貨物ターミナルに2棟目の大型物流施設
2022.08.01 11:32
日本貨物鉄道(東京都渋谷区、JR貨物)は、東京都品川区の「東京貨物ターミナル」駅構内で2021年1月から建築を進めていたマルチテナント型物流施設「東京レールゲートEAST」が竣工したと発表した。開発計画の企画立案、テナント誘致、竣工後の施設の運営・管理は三井不動産(東京都中央区)が行う。
「レールゲート」はJR貨物の物流施設ブランドで、入居テナントに対する集荷・配達・保管・荷役・梱包・流通加工等の物流関連事業まで一貫した総合物流サービスを提供。これまでに「東京レールゲートWEST」、「DPL札幌レールゲート」が稼働している。
「東京レールゲートEAST」の立地は首都高速湾岸線「大井南」ICから約1・3km、首都高速羽田線「平和島」ICから約2km。東京港国際コンテナターミナルから約1・5km、羽田空港からも約3・5kmの場所に位置する。首都圏の半径20km圏をカバーでき、配送拠点として優位性のある立地だ。
建物は敷地面積7万6493㎡、延床面積17万4404㎡、賃貸床面積14万7014㎡、鉄骨造地上5階。倉庫の天井高は5・5m、シャッター下は4・0m、車路は4・5mを確保。事務所の天井高は全フロア約3・5mを採用し、開放的なオフィス空間を実現している。将来対応として、1階倉庫北側は冷蔵庫(5℃)対応エリアと冷凍庫(マイナス20℃)対応エリアを設けるほか、北側バースは12フィートコンテナ用フォークリフトが乗入対応可能な仕様とした。また、施設利用者のためにカフェテリアや各階にベンダー室を設置。外部にはドライバー用の休憩室を設ける。
BCPにも配慮。高潮・津波発生時の浸水を防ぐため、1階倉庫フロアは東京湾平均海面から7・45mの高さに。さらに、建物は接道する都道316号線より高い地盤面に建設されている。地震発生時には、地盤との間に設けられた免震装置が建物内の揺れを軽減し、荷物転倒の可能性を低減。被害を最小限に抑える。停電発生時には、非常用発電設備が倉庫・事務所等の一部に電気を72時間供給し、事業継続を可能にする。また、断水してもトイレが使えるよう、プライベート空間を確保した衛生的なマンホールトイレを備える。
環境認証では、BELSにおいて5つ星を取得したほか、CASBEEのAランク相当の仕様で設計、竣工後、認証取得の申請を行う。屋上に設置された太陽光発電設備で、共用部の電力を供給。倉庫ではLED照明のほか人感センサーを採用しており、不在時には減光し消費電力量を低減している。このほか、庫内の熱負荷軽減のための屋上緑化や、電気自動車充電スタンドの設置等、様々な環境配慮型設備を導入している。