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森ビル 官民共創のインキュベーション拠点を「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」に整備
2022.10.17 10:57
森ビル(東京都港区)は、官民共創事業開発プラットフォーム「逆プロポ」の運営などを展開するソーシャル・エックス(東京都渋谷区)と共同で、インキュベーション拠点「逆プロポ・ラボ@ARCH」を「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」内のの「ARCH(アーチ)」に開設した。
「逆プロポ・ラボ@ARCH」は、企業の新規事業創出に特化したインキュベーション施設「ARCH」に入居する約110社の新規事業開発部門と、ソーシャル・エックスのサービスを利用する自治体を直接繋ぎ、大企業の新規事業創出と自治体の社会課題解決を同時に推進する。
具体的には、自治体職員と「ARCH」に入居する大企業による緩やかな「対話の場」の創出。自治体と大企業を対象としたオンライン・オフラインによる「交流イベント」の実施。大企業の新規事業開発部門と自治体職員による「アイデア創出」の推進。官民共創に関心の高い自治体職員同士のコミュニケーション促進による「コミュニティの醸成」などに取り組んでいく。
両社では、大企業が新規事業を創出する際の観点として「会社の強みを生かせる」、「世の中のトレンドに合致する」、「社会課題解決に貢献する」の3つを挙げる。一方で、アイデアや技術はあるものの具体的な社会課題と結びつけることが難しく、事業化にまで至らないケースも多々あるという。また、社会課題を抱える全国の自治体にとって、課題解決に直結するアイデアや技術を有する大企業と出会うのは容易ではない。
「逆プロポ」とは、企業が関心のある社会課題を提示し、それに対して自治体をマッチングさせることで、課題解決のアイデアや企画の共創を推進する、ソーシャル・エックスが提供する官民共創プラットフォーム。自治体が課題を提示し、企業が解決策を提案する従来型の公募プロポーザルの流れを逆転させることで、企業は自社の強みを活かせる自治体を、自治体は社会課題解決に向けて協働できる企業を見つけやすくなるという。「大企業の課題解決力」と「自治体が抱える社会課題」を掛け合わせ、従来型の公募型よりもスピーディーな社会課題の解決を目指す。