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「竹中セントラルビル サウス」開業 築23年の既存オフィスビルをスマートビルに改修
2022.10.17 11:01
竹中工務店(大阪市中央区)とアサヒファシリティズ(東京都江東区)は、グループ会社7社の拠点を集約した「竹中セントラルビルサウス」を3日に開業した。
同プロジェクトでは、1999年に竣工した築23年の既存オフィスビルを、近年の脱炭素に対する社会的要請や働き方の多様化に伴うテナントニーズの変化に対応したスマートビルに改修。改修にあたっては、竹中工務店開発の「ビルコミプラス」を軸とする建物の脱炭素化・運用管理に関わるソリューション技術を盛り込んでいる。
改修後の同ビルは、延床面積1万2695・47㎡、鉄骨造7階建てのオフィスビル。
建物内部は、新たに設置した階段によって各階を歩行動線で「つなぎ」、様々なテーマの共用部を結節点に設けて入居各社を「むすぶ」ことを計画した。入居各社の新たな接点を生み出し一体感を醸成することで、連携・交流を促進し創造性を高めるオフィス空間を目指している。
同ビルでは、空調吹出口・自然換気口の自動開閉制御を導入。ビル設備データをはじめ、AI技術を適用した全方位カメラの画像解析情報(人の位置情報、着衣量などを認識)や環境センサーなどの運用時データを活用。
同ビルのCO2排出量は、「外装の高性能化」、「高効率熱源の導入・照明のLED化」、「外気導入量制御」、「太陽光発電の導入」、「自然換気の導入」を行うことにより、既存建物の改修前実績値から約50%削減する予定。また、建物運用開始後も、ビル設備データをビルコミプラスと接続することで、さらにCO2排出量を削減することを目指している。
「ビルコミプラス」は、クラウド型の建物OSである「ビルコミ」に、環境の変化・技術変革に即応する「IoTセンサーネットワーク」、拡張性・選択性のある「ファシリティメニュー」、ユーザーの利便性を追求した「アプリメニュー」を加えて構成されたスマートビル実現のためのソリューションパッケージ技術。ビル設備を更新することなくソフトのアップデートのみで、建築・設備システムの運用性能を高めていくことが可能。同ビルでは、ビルコミプラスを活用し、運用時のCO2排出量低減や建物管理業務の生産性向上を目指して関連技術の開発・実証を行う。