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三菱地所が「大手町パークビルディング」内の自社オフィスを公開
2018.02.19 17:22
オフィス全体の3分の1が共用スペースとなり約2倍に拡充
三菱地所は9日、本社機能が移転した「大手町パークビルディング」内の自社オフィスを報道陣向けに公開した。オフィス全体をひとつの大きな「PARK」に見立て、人が自然に集まる「場」づくりを行った。
三菱地所(東京都千代田区)は9日、先月5日に本社機能が「大手町ビルヂング」から「大手町パークビルディング」内に移転した自社オフィスを報道陣向けに公開した。
移転したフロアは同ビルの3~6階で合計約3600坪。新本社ではコミュニケーションの促進や生産性の高いワークプレイスの構築、制度改革やITインフラの整備も含めた「働き方改革」の推進も目指し、オフィス全体をひとつの大きな「PARK」に見立て、人が自然に集まってつながる「場」となるオフィスづくりを行った。
その様子はオフィス内の随所に見られる。例えば、社員が自由に自席を選択し執務できる「グループアドレス」制度の導入(部長以下が対象)によって、事業担当役員個室の撤廃やフラットな空間の実現、多種多様な空間デザイン及び共用スペースの拡充・整備などが挙げられる。その他、読書・執務等々に利用できる「ライブラリ」やワークプレイスとして機能するカフェテリア「SPARKLE」なども整備。また社員同士のコミュニケーションの機会増加を図るため、3~6階の専有部フロア内に自由に行き来可能な内部階段を東西2ヵ所に設けた。その結果、オフィス全体の3分の1が共用スペースとなり、これは以前の「大手町ビルヂング」と比較すると約2倍に拡充されている。加えて移転前と比較し、個室の削減や7割以上の削減に繋がったペーパーレス化にも効果があった。
本社移転に合わせ、制度面での「働き方改革」も推進する。例えば、人事制度改革と併せたテレワーク制度を全社で展開し仮眠制度なども導入。そのため、自社オフィス内には仮眠室も設置している。また「勤務」と「休憩」のメリハリをつけた働き方の推奨として、前日の業務終了から翌日の業務開始まで一定時間を置いて仕事に就くことを求めるインターバル勤務制度も取り入れた。更に朝食の無償提供制度や社員の健康増進を目的としたフィットネス等々を気軽に利用できる「WELL―BEING」プログラムの実施も行う。三菱地所は、新しいオフィス環境で得た知見やノウハウを今後の顧客・テナントへの提案やオフィスビルの商品企画、まちづくり事業に生かしていく計画だ。
また会見した吉田淳一社長は「技術革新が非常に激しい昨今、当社は築年数60年ほどのビルにオフィスを構えてきたが、オフィスを取り巻く環境の変化を先取りし発信していくためには、自身が最新鋭のオフィスに入居し変わり続けなくてはならない、また社内の課題として働き方改革を推進するためにも移転する必要があると感じ実施しました。この機会を通じて当社ならではの価値の創造に繋げたい」と述べた。