不動産トピックス

今週の一冊

2018.02.12 17:52

不動産業界の事件簿!そんなクレームあり?

不動産屋店長・滝山玲子の事件簿 お客様、そのクレームにはお答えできません!
著者:三浦展 
発行日:2017年3月20日 
発行所:光文社 
価格620円(税別)

 「不動産屋店長・滝山玲子の事件簿」とサブタイトル。女性店長の「そういうお客さんははっきり言って相手にしたくないの」「ほんとにもう早く出て行けって思った」と女性の愚痴レベルの体ではあるが、さすが「下流社会」の著者が書く本書、非常識クレームはある意味事件レベルなのだと突いている。どんな業界にも大体クレーマーは存在する。現代はストレス社会。ストレスが溜まると人間は当たり散らしたくなるもの。クレーム担当者は悪質なものから笑い話まで本の一冊くらいは書けてしまうに違いない。本書で気づかされたのは、マンションの大家は社会の流れから置いてきぼりかもということ。普通に会社勤めをしていれば、社会の変化を肌で感じるが大家は必ずしもそうではない。何十年も同じ価値観で入居者の女性に「昨日は彼氏連れ込んだ?」と言ってしまったりもしがち。セクハラしているのに気づかない。個人事業主の中で比較的、社会の価値観から取り残されがちな立場かもしれない。クレームは時代を写す。「タバコの煙どうにかしろ」「監視カメラをつけろ」「虫が出るから何とかしろ」等々。
 「エコだ、自然だとか言うわりには虫嫌いは増えるばかりだ」には苦笑するばかり。軽いノリで書かれているが現代社会の有り様を考えさせてくれる一冊。




週刊不動産経営編集部  YouTube