不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2018.02.12 17:55
「宿泊+α」型ホステル続々
百洗練磨はカフェバー併設
民泊予約サイト「STAY JAPAN」を運営している百戦錬磨(宮城県仙台市)は2018年2月1日、大阪市浪速区の鉄道高架下スペースにカフェ&バー併設ホステル「BON HOSTEL(ボン ホステル)」をオープンさせた。
同施設は、南海電鉄「難波」駅徒歩9分に位置、敷地面積1021・78㎡、建物面積824・60㎡、鉄骨造1階建て。収容数は110名で、個室タイプが3人用2室・4人用1室、ドミトリータイプが6人部屋12室・7人部屋4室。
「BON HOSTEL」の名称は「BON=良い」のフランス語と、ホステルのキーアイテムである「BON=盆栽」の2つの言葉に由来。内装は白・黒・グレーを基調としたシンプル・スタイリッシュなトーンを採用し、「世界各国の旅人誰にとっても落ち着きのある空間づくりにこだわりました」(同社)。 「Bon menu」は世界中の"発酵食"をテーマにしたカフェ&バーを併設する。
同社は、人や地域との出会いや交流を求めて世界各地から訪れる、特に情報発信力の高いフラッシュパッカーなどをターゲットに、情報交換や情報発信の「場」として施設の企画・開発した。「高架下×宿泊施設」というユニークな形態で、旅行者から地域住民まで多様な人々が集う賑わいを演出する。カフェ&バー併設型スタイルで、交流イベントなども行う予定だ。
民泊予約サイト「STAY JAPAN」とも連携する。同サイトは、ディープな日本のローカル体験をはじめとする、新たな宿泊スタイルを提案する民泊予約サイト。都市部の生活空間に暮らすように滞在したり、地方で日本の伝統文化や田舎体験、農家体験などを通じて現地の人々と交流できるユニークな宿泊施設などを掲載しているのが特徴。
「BON HOSTEL」と「STAY JAPAN」が連携し、「STAY JAPAN」に掲載中のホストとの交流イベントの実施や、地域・農泊施設のPRコーナーを設置するなど、地域観光のきっかけづくりを目指している。
ナインアワーズはランナー向け設備
一方、「ナインアワーズ」ブランドで簡易宿泊ビジネスを展開しているナインアワーズ(東京都港区)は、同社6店舗目として「ナインアワーズ竹橋」を3月30日にオープンさせる。
この施設は、東京都千代田区の東京メトロ東西線「竹橋」駅至近に位置。延床面積829・82㎡、敷地面積166・39㎡、客室数は男性76室・女性53室の129室。所有者はコスモスイニシア(東京都港区)。
交通の要衝である東京駅に近いため、出張や旅行の際のトランジットサービスとして様々な需要を見込む。
大きな特徴は、皇居ランナーに合わせてランニングステーションの機能を備えていること。シューズロッカーやランニングウェア・ランニングシューズ等のレンタルサービスも行う。シャワーブースでは、通常のシャワーに加えてTOTOのウォームピラーを採用。特別に制御した、身体に沿って流れる水流による高い温浴効果でランニングの疲れを癒してリフレッシュすることができるという。
建築・設計は、平田晃久建築設計事務所の平田晃久氏を起用し、皇居のお堀を囲うような吹抜け空間を持つCの字型の構造にした。 建物の中央の吹抜けに階段を設置し、それを取り囲むようにスリーピングポッドを配置することで、吹抜けと一体的な空間にした。屋上には小さな植栽空間を持つテラスを設置して都市の中にありながらも緑を感じることができるという。
「ナインアワーズ」は、都心での「機能的」「高品質」なトランジットサービスという独自のカテゴリーを目指し、「部屋」という空間概念を捨て、無駄な装飾を徹底的に排除しているのが特徴。
ハード面でいえば、カプセルの大きさは従来とそれほど変わらないが、「スリーピングハブ」というコンセプトの元に快適な睡眠ができるような工夫を凝らしている。例えば、LED照明を利用して起床時間に合わせて徐々にライトが点灯し、目覚めを良くする工夫を施した。またシャンプーやボディソープなどは、メーカーとの共同開発によるアメニティを取り揃えるなどオリジナル性を追求している。
同社は2018年春以降「浅草・竹橋・蒲田・赤坂」に出店し、2020年までに都内を中心に全50の店舗展開を計画している。
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カプセル進化したユニット備える
グローバルエージェンツ(東京都渋谷区)は、主力事業の一つであるライフスタイルホテル事業の5棟目として、ミレニアル世代向けに特化した宿泊施設「The Millennials(ザ・ミレニアルズ)」の2号店を3月15日、渋谷にオープンする。
同施設は「渋谷」駅徒歩6分に位置。日本リテールファンド投資法人が保有する10階建のビルの3階以上をリノベーションする。客室数は120室で、客室単価6000円前後を見込む。
5階から10階が全て宿泊階となり、自社独自開発の「スマートポッド」120ユニットを配置する。4階にはフロント・セルフキッチン付のラウンジを設け、ゲスト同士の交流が可能。また3階はワンフロア全てコワーキングスペースとなり、通常時はコワーキングスペースとして宿泊ゲストや専用会員が利用できるスペースとして運用する他、イベントスペースとしても運用予定で、様々なワークショップやミートアップなどのイベント開催やホテルとしてのバンケット利用も可能だという。
客室は、日本発で海外から注目を集めているカプセルホテルを応用した形態となる。同社はそのカプセルホテルをさらに進化させ、従来型のカプセルよりも高い居住性と機能性・エンターテイメント性を備えた「スマートポッド」を新たに自社開発した。
この「スマートポッド」は、天井高2・3m×床面積3㎡の客室空間の中に、セミダブルサイズのリクライニングベッド、大型キャビネット、80inchスクリーン等が搭載された多機能型の宿泊ユニット。リクライニングベッドとアラームが連動し、時刻になると、音ではなくリクライニングベッドが起き上がることによって物理的に起床を促す機能も備える。そしてIoT技術により、これらスマートポッド内の全ての機能をチェックイン時に渡すiPodで操作が可能になる。
「The Millennials」は、主に1980年以降に生まれた、いわゆるミレニアル世代向けの未来型の宿泊施設として、2017年7月に京都河原町三条に1号店が開業した。
「ハイアット セントリック」初進出
オリックス不動産(東京都港区)はこのほど、「ハイアット セントリック 銀座 東京」をオープンさせた。ホテル運営は、ハイアット ホテルズ コーポレーション(本社・米国イリノイ州)の関連会社に委託、同社にとって日本初進出となる。
同ホテルは、東京メトロ「銀座」駅より徒歩3分、地上12階建ての「東京銀座朝日ビルディング」の3~12階部分に位置する。客室はスタンダード137室、デラックス18室、スイート8室、ナミキ スイート1室の合計164室。
客室を含むホテル全体のインテリアデザインは、赤尾洋平氏率いるストリックランドが担当。朝日新聞社の東京における創業の地に建てられた同ホテルは、当時周辺で繁栄していた出版印刷業の名残を、アートワークやインテリアデザインとして随所に遊び心をこめて表現しているという。
最上階にあるナミキスイートには、並木通りが見渡せる広々としたテラスがあり、同僚や友人とのディナーパーティーも可能。スタンダード客室は35㎡、デラックスルームは47㎡の広さを確保している。これらの部屋には洗面スペースを朝食用テーブルや机に変化させ、スペースを節約できるマルチファンクションテーブルを備える。
オリックス不動産は「クロスホテルブランド」のシティホテルをはじめ、リゾートホテル、サービスアパートメント、温泉旅館、研修施設など、全国で約5400室の宿泊施設を保有・運営している。今後、2020年までに、5施設・計約1200室の新規開業を予定している。
“スヌーピーホテル”が登場
ポトマック(兵庫県神戸市)はこのほど、「PEANUTS(ピーナッツ)」の日本国内エージェントであるソニー・クリエイティブプロダクツ(東京都千代田区)を通じ、Peanuts Worldwide LLC(米国・ニューヨーク州)とホテル事業のライセンス契約を締結した。
これによりポトマックは、スヌーピーやピーナッツに登場するキャラクターをテーマにしたデザインホテル、「PEANUTS HOTEL(ピーナッツ ホテル)」を、2018年夏に神戸にオープンする。
同ホテルは客室数全18室、1階にはPEANUTS Cafe(ピーナッツ カフェ)を併設する。
ポトマックは、飲食店運営・洋菓子製造販売の事業展開を中心に、商業施設・店舗プロデュースなどを手掛ける。2015年10月に中目黒に「PEANUTS Cafe(ピーナッツ カフェ)」を、2016年4月に六本木のスヌーピーミュージアム内に「Cafe Blanket(カフェブランケット)」をオープンしている。
「泊まれる本屋」新宿に
不動産のセレクトショップ R-STORE(アールストア 東京都品川区)では、2018年春「泊まれる本屋」をコンセプトに、訪日外国人観光客や国内旅行者をターゲットとしたホステル「BOOK AND BED TOKYO」第5店舗目を、東京都新宿区・新宿コマ劇前広場にオープンさせる。
同ブランドは、一昨年11月に第一号店として池袋にオープン。セレクトショップ「1LDK」やパジャマメーカー「NOWHAW」、「トラベラーズファクトリー」などとのコラボレーションなどでも話題になっている。
以降、2016年12月2日京都店(京都府京都市)、2017年1月21日には池袋本店増床、同4月29日には福岡店(福岡県福岡市)、同10月5日には浅草店(東京都台東区)と展開してきた。
同社の調査によれば、利用者の85%が20代から30代、男性30%・女性:70%。利用目的別では、国内旅行客33%、国内出張客4%、海外旅行客33%、都内近郊客29%となっている。