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森トラスト「日立本社ビル」の建て替えが決定 アスベストリスク等を重視 赤坂ツインも建て替え検討

2006.06.05 15:15

 森トラスト・ホールディングスの2006年3月期決算は、売上高1478億6600万円・18・4%の増収、経常利益415億4400万円・34・3%の増益で、いずれも過去最高を記録した。07年3月期の売上高は1600億円と、約121億円増を見込む。グループの中核企業である森トラスト(東京都港区)では、物件ポートフォリオ再構築戦略の一環として森トラスト総合リート投資法人から420億円で取得した「日立本社ビル」の建て替えを予定している。
 「日立本社ビル」は、1棟借りしていた日立の退去によって、大規模リニューアルか建て替えの両面で検討を進めてきたが、現時点での基準は満たしているものの、建物にアスベストが含有していることもあり、将来の法改正など不安定な要因を勘案して建て替える方針に決定した。また、当該ビルは御茶ノ水駅前に建つが、「御茶ノ水の顔となる場所には優良なビルがあるべき」(森社長)という考えもあったようだ。
 解体時期や詳細な計画はこれから詰めていくが、現時点で、竣工まで5年以上の期間が必要だと見ている。なお、現在の日立本社ビルは1983年3月に竣工した地上20階、地下3階、延床面積5万7254・61㎡の建物である。
 森トラストではアスベスト問題や耐震構造問題などをきっかけに保有ビルの再編を考えており、現在建て替えの対象から除外されている「赤坂ツインタワー」などもアスベスト含有などの問題があれば建て替え対象として検討する模様だ。




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