不動産トピックス

不動産管理新潮流

2006.05.15 17:27

<BM会社の戦略>東京美装興業 セコムとの資本・業務提携で事業領域拡大
今後もFM業務全般を積極推進 周辺業務もワンストップで対応
 東京美装興業は昨年、ジョンソンコントロールズ(JCI)からアーバンコーポレイション、セコム、同社社長の八木秀記氏へと3回筆頭株主が交代した。資本関係の移り変わりは同社をどのように変化させたのであろうか。

-JCIとの提携解消によるFMにおけるアウトソーシングへの影響は。
八木 一部、JCIが中心になって受託していた契約は解除になりました。しかし、これまでFMにおけるアウトソーシング業務を受託した先は、既に弊社のスタッフが中心となってオペレーションを行っており継続して契約している現場も少なくありません。当社の実績を評価頂き、JCIとの提携解消後も多くの企業から問い合わせをいただいています。
-セコムとの提携が注目を集めています。
八木 現在、業務提携の中身をつめている段階ですが、互いに共通の現場で業務を行っているためシナジー効果が期待できると思います。具体的には、PFIや指定管理者における共同提案や共通化したサービス提供が考えられるでしょう。当社は設備面での遠隔監視は行っていますが、機械警備はあまり実施していません。両社のノウハウを融合することで全ての領域で競争力のある提案が可能になります。
-PMや建築エンジニアリング業務に関しては。
八木 PMに関してはオフィス・商業施設を中心に受託件数が伸びています。商業施設におけるPMには工夫できる要素が残されており、企画提案型営業の成果が発揮されつつあります。また、オフィスにおけるPMに関しても大手不動産会社が自主管理していた地方の支社の業務を受託するなど全国展開するPM会社としての強みが活かせてきました。リニューアルや設備更新を提案するビルエンジニアリングにおいても、受託件数は増加傾向で順調に推移しています。
-今後の戦略は。 八木 ビルメンテナンスを中心にFM、PM、建築エンジニアリングへと仕事のスコープを広げ、ワンストップ型のソリューションを提供していきます。

三幸 大規模施設の清掃業務に清掃ロボットの導入推進 富士重工業と業務・資本提携
 三幸(東京都渋谷区)連結子会社の三幸ビルソリューションと富士重工業(東京都新宿区)は5月23日を目処に業務・資本提携する。
 今後ビル清掃業務において人手不足、セキュリティ対策、省エネ対応等の課題に直面することが予想され、清掃ロボットの活用がその解決策のひとつとして期待されている。三幸ビルソリューションは、大規模施設における清掃業務請負および清掃ロボットの導入を意図した大規模施設の清掃業務を行うことを目的に今年4月に設立された会社。
 業務提携の内容は、「ビル清掃業務に関するノウハウ」と富士重工業の「清掃ロボット開発力」を協同連携して事業展開するというもの。既に両社では清掃ロボットの開発および施設導入において共同事業展開しており、「新宿エルタワー」などに清掃ロボットを導入している。資本提携については、三幸が保有する子会社の普通株式150株を富士重工業に譲渡し、同社が発行済み株式の15%を保有する。

【短信】
NTTファシリティーズ、役員異動
 NTTファシリティーズ(東京都港区)は、5月12日開催の取締役会において定時株主総会(6月22日開催予定)に付議する取締役等の候補者を決定した。
 新任取締役として武田勉氏(経営企画本部担当部長)、齋藤聰氏(営業本部営業推進部長)、安井幹人氏(営業本部プロジェクト開発部長)が就任予定。新任監査役候補に伊藤弘吉氏((財)日本データ通信協会専務理事)、田邉正通氏(日本電信電話常勤監査役)がそれぞれ就任する予定である。現・常務取締役前田良治氏、取締役吉村正孝氏、取締役小笠原政教氏、監査役三輪住生氏、監査役羽生郁雄氏は退任する予定だ。
 なお、新任監査役の伊藤弘吉氏、田邉正通氏の2名は社外監査役候補である。

丸誠、役員異動
 ビルメンテナンス事業を展開する丸誠(東京都新宿区)では、6月27日開催予定の定時株主総会において役員の異動を行うことを発表した。新任取締役候補として現在の横浜事業部長の小林憲司氏が取締役横浜事業部長に就任する。なお、退任予定取締役としては、現・取締役総合企画室企画担当の柳原博實氏が予定されている。




週刊不動産経営編集部  YouTube