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<不動産の新形態>ファイアー 組成したSPCが「函館和光ビル」を取得 6割稼働のファッションビル 追加投資やリーシングで再生

2006.04.17 11:26

 不動産・金融・資産運用などのソリューションビジネスを展開するファイアー(大阪市中央区)がAMを手掛けるSPC「プロシオン」は、先月末、JR函館駅前の老舗ファッションビル「函館和光ビル」を取得した。
 和光は昭和43年に開業した、地下1階地上9階建、延床面積1万2092・41㎡の商業ビル。取得金額は明らかにされていないが、現在は北海道銀行支店の他、アパレルショップや飲食店など合計37店が入居しており、稼働率は6割程度の状況だ。これまでは土地と建物の所有権が細分化されていたためビルへの再投資に関する合意が困難な状況だったが、売却に関しては合意が得られたようだ。ファイアーの箕浦社長は語る。
 「和光は、函館駅前に位置し、地域ではランドマーク的な物件です。古い建物ですが、耐震壁もしっかりしており、地震保険も100%掛けることができました。これからは耐震工事を含めたリニューアルにも着手しながら当社のPM部門でリースアップを図っていきます」
 同氏によると函館経済は必ずしも順調とは言えないそうだが、10年後の平成27年には北海道新幹線の新青森―新函館間が完成する予定であるなど、駅前立地は底堅く、将来性があるという。
 なお、同社は企業再生に絡む不動産流動化や、ビルオーナーの資金繰りの改善などの相談を受けて資金調達アドバイスや不動産投資を行う企業。金融・証券・不動産の出身者が集まり高度な金融スキームを活用したソリューションビジネスを展開している。




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