不動産トピックス

管理会社新潮流

2006.04.03 16:18

<新戦略>ビル代行 NBS子会社化で総合管理受注拡大 グループでの共同営業を開始
 昨年12月、ビル代行(東京都中央区)は日本ビルサービス(東京都千代田区・NBS)を子会社化した。老舗大手同士のM&Aということもあり大きな話題となったが、今後どの様な展開を行っていくのだろうか。両社の代表を兼務する矢口敏和社長に聞いた。

-株式譲渡の背景には後継者問題などがあったそうですが、取得時の財務内容はどうだったのでしょう。
矢口 正直な所NBSは財務的に厳しい状況にありましたが、借入金の見直しやビル代行からの資金注入を行い、この3月期をボトムラインとしてV字回復を目指したいと考えています。元々社員のスキルや技術レベルは業界でもトップクラスであり、発展する要素はありました。資金繰りなどで足を引っ張っていた部分を無くしてしまえば、単独で充分利益を出せる会社だと判断して取得に至りました。
-将来の合併は考えているのでしょうか。
矢口 良く周囲からも聞かれますがビル代行は清掃中心、NBSh設備管理に強いなど企業文化が異なります。無理に合併する必要は感じていませんし、当面社名変更も行いません。ただしグループで連携した営業展開は行うべきでしょう。既に何も言わないうちから現場レベルでの交流が始まっており、共同提案書を出すケースも増えています。また、大手不動産会社や大学などが所有する複数の施設から「設備・清掃を併せて引き受けないか」という話も寄せられており、これまでは清掃だけ、設備だけといったお付き合いをしていた顧客への積極的な提案でグループ化による相乗効果を確かなものにしていくのが先決だと考えています。
-NBSのグループ化による新たな取り組みは。
矢口 4月以降、両社共通の基幹システムや顧客管理システムの導入検討に着手し、また両社ではセキュリティ商品や省エネ・コスト削減・環境対策アイテムなどの販売・施工を行っていますが、これも共通化しカタログ作成などを行っていきます。グループ各社が互いに切磋琢磨して発展していければよいと考えています。

全国ビルメンテナンス協会 マスコットキャラクター名称が決定
応募総数約1000件 山形県の太田さんに最優秀賞
 全国ビルメンテナンス協会が公募していた「クリーンクルー」マスコットキャラクターの愛称が決まった。
 応募総数は約1000件で、最優秀作品に選ばれたのは山形県の太田久美さんが応募した「ピカタン」。佳作には「クリンキー」「ピカロー」「ミガッキー」が選ばれた。
 協会では、業界のイメージアップの一環として平成3年7月からビル清掃員の新ネーミングとして「クリーンクルー」と定め普及に努めていた。また、平成7年には公募でマスコットキャラクターを決定しPRなどに用いてきたが、これまでに決まった名称がなかったため今回の公募に踏み切った。
 なお、「ピカタン」名称を考案した太田久美さんには賞状と賞金10万円が贈られた。また、佳作の作品にもそれぞれ賞状と賞金3万円が贈られている。

【短信】
ジャパンメン、イオンテクノと合併
 イオングループのジャパンメンテナンス(大阪市中央区)は3月31日開催の取締役会において、同じグループであるイオンテクノサービス(大阪市中央区)の株式取得ならびに合併に関する基本合意書の締結を決議した。両社が統合すれば売上高1000億円を超える業界最大手のビルメンテナンス会社となる。

マンション管理員の教育などで3社連携
 ダイア管理(東京都新宿区)、ディ・エス・エス(東京都新宿区)、伊藤忠アーバンコミュニティ(東京都中央区)はマンションの管理員等を対象とする教育研修の共同実施に関し業務提携を行った。1月30日付けで共同職業訓練協会「マンション管理共同訓練協会」を設立し、共同教育研修プログラムの構築及びノウハウの共有を図る他、管理員等の教育研修プログラムに関し公的職業訓練課程としての認定を受けるべく東京都に対して共同申請を行い、3月13日付で認定を取得している。今後は教育研修施設の共同運営によってその機能と必要軽経費の圧縮を図っていく。




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