不動産トピックス

商業ビル最前線

2006.03.27 16:54

<商業ビルオーナーインタビュー>一・四・一 17年間かけて開店した地権者主導のSC 地元の支持を得るテナントを育成
―ショッピングセンター「141ビル」の設立経緯は。
中村 仙台市営地下鉄が開業した昭和62年に、141ビルは仙台市の第一種市街地再開発事業の施設建築物として誕生しました。ビルのネーミングは、再開発事業の名称「一番町・四丁目・第一地区」に由来しています。再開発事業が開始したのは昭和45年で、オープンしたのが昭和62年で、実に17年間もかかりました。当初は、三越をキーテナントとして、同社主導でビルを建設する計画でした。このような再開発の場合、三越の内部事情や事業戦略に大幅に左右されるため、計画の中断や大幅見直しを幾度も余儀なくされました。そこで、地権者による組合主導型の再開発を行ったのです。地権者の有志と地元金融機関の出資により、昭和59年に新ビルの管理運営ための当社が設立されました。地権者13名、地元金融機関、三井不動産で所有しており、当社が一括賃貸した上でテナントに転貸しています。
―経営の特徴は。
中村 当社がサブリースする形で運営しているので、地権者のエゴが出ず、店舗構成に統一的なコンセプトを持つことなどができます。大手ショッピングセンターのようにハンター型のテナント誘致ではなく、一度入居させたテナントをじっくり育てていく方針です。
―仙台駅前にパルコが開店する影響をどう見ますか。
中村 一般的に周辺に新しい商業施設ができた場合、2年間は売上げの約10%が減少すると言われていますが、当ビルもそれを覚悟しています。ただし、それと同時に、交通インフラの整備やマンション開発による人口増も見込まれており、仙台の街の価値の向上も大いに期待できます。全体の底上げが行なわれることや、当ビルには地元に根付いた専門店の強みなどがあり、長期的には大きな心配はしていません。

<TOPICS>ナムコ 「談話室かいかや」4月1日から開設 団塊の世代が対象のコミュニティサロン
 ナムコ(東京都大田区)は、4月1日より、自社が運営するデイサービスセンター「かいかや横浜ワールドポーターズ店」で、コミュニティサロン「談話室かいかや」を開設する。
 同施設は、特定の趣味はなくても多くのことに関心のある団塊の世代を対象とした会員制のサロンだ。多種多様な業界から講師を招いたレクチャーや、ショッピング、芸術鑑賞、横浜散策を楽しむイベントなど週末の時間を豊かに過ごすサービスを多彩に提供する。
 同社はフードテーマパーク業態においても、中高年層に向け「焼き鳥」や「野菜」などをテーマにしたフードテーマパークを検討しており、また、食にこだわらず「癒し」をテーマにした「マッサージテーマパーク」は既に展開している。今回の施設も、エンタメ企業として、幅広い世代に向けで遊びの要素を提供していく。
 入会金5250円、月額講座料金5480円。

東京急行電鉄 東急グループの商業施設運営業を統合 新会社は「東急モールズデベロプメント」
 東京急行電鉄(東京都渋谷区)では、商業施設運営を中心とした事業展開を行なっている子会社である東急商業開発と、東急マーチャンダイジングアンドマネージメントの2社が4月1日から合併し、両者の商業施設運営業が統合されることになった。合併後の社名は「東急モールズデベロプメント」となる。
 東急では、「リテール関連事業」を「交通事業」、「不動産事業」に続く第3のコア事業として位置づけ、相互連携により連結営業利益の拡大を図ることを成長戦略として掲げている。
 商業施設運営業は「リテール関連事業」の中核を担うものであり、今回の統合は、渋谷や二子玉川、たまプラーザ、南町田など駅を中心とした拠点開発にあたり、機動的かつ効率的な運営体制を構築することを目的に実施するものだ。尚、新会社の取締役社長には、現・東急商業開発取締役社長の久米基夫氏が就任する。

パルコ アスベスト含有吹き付け材の使用を確認 除去工事に着手し一部施設を休業
 パルコ(東京都豊島区)は、一部店舗にアスベスト含有吹き付け材の使用を認めた。同社では全19店舗において、使用されている吹付け材へのアスベスト含有について、専門の調査機関に依頼して調査を進めてきた。
 その結果、機械室等の来館者が訪れない箇所に使用が見られた。そのうち、渋谷パルコ・パート1の9階「パルコ劇場」では、アスベスト含有吹付け材の露出が認められたが、大気中の濃度測定により、大気汚染防止法で定められた基準を下回る一般的な大気と同程度の濃度であり、健康には害がない。
 同社は既に対策工事に着手し順次実施している。渋谷「パルコ劇場」については、除去工事実施のため3月27日から6月25日まで休業となる。

商店街だより 港区商店街振興組合連合会が店頭でのケータイ決済を推進
 港区商店街振興組合連合会が2年前に導入したカードシステム「MSC(マスク)システム」に、携帯電話を使った決済システムが盛り込まれた。区内各地で傘下商店街向けの説明会もスタート。区振連として携帯電話を使った手軽な決済手段を提供することで、会員店舗の販促を強力に後押ししていく。今回MSCシステムに新たに盛り込まれるのは携帯電話による、おサイフケータイ『iD』と『QUICPay』の決済機能だ。特徴は、まずは携帯電話によるスピーディーで気軽な決済が可能となる点。1万円以下の買い物については暗証番号を入力する必要がなく、携帯電話を店頭端末にかざして1秒足らずで精算が完了する。既存加盟店のシステム更および今後募集する新規加盟店の対応端末の設置は、『iD』約1000台、『QP』約50台を無償で設置する。また月利用料は従来通りに区振連会員店舗は月750円、賛助会員は月1000円となる。

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