週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
「渋谷サクラステージ」始動 渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業11月竣工へ
2023.02.13 11:36
東急不動産(東京都渋谷区)は9日、「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」の施設名称が「Shibuya Sakura Stage(渋谷サクラステージ)」に決定したと発表した。
「渋谷」駅直結の好立地 桜丘エリア開発が本格化
本プロジェクトはJR「渋谷」駅前に位置する桜丘口地区で推進されている市街地再開発事業で、東急不動産は市街地再開発組合に参加組合員として参画している。地区内は都市計画道路を挟んで「SHIBUYAサイド(A街区)」と「SAKURAサイド(B街区)」に分かれており、「SHIBUYAサイド」には地上39階建ての大規模複合ビル「SHIBUYAタワー」と地上17階建ての「セントラルビル」の2棟を配置。この2棟はオフィスを主体としたビルで、低層部には商業機能のほか企業支援施設や国際医療施設の整備が行われる。「SAKURAサイド」には住宅を中心にオフィス、商業、サービスアパートメント、子育て支援施設などで構成される複合ビル「SAKURAタワー」などが整備され、「桜丘の森」と名付けられた広大な緑地スペースも設けられる。
「SHIBUYAタワー」のオフィス基準階面積は約2780㎡(約840坪)で、新たに設けられる予定のJR「渋谷」駅新改札口より直結という恵まれたロケーションが大きな特徴。「SHIBUYAタワー」と「セントラルビル」、「SAKURAタワー」の3棟はそれぞれ基準階面積の異なるオフィスを整備することで、大規模な企業からスタートアップ企業まで、様々な規模の企業がフレキシブルに入居することが可能となっている。9日に開催された記者説明会に出席した東急不動産の岡田正志社長は「渋谷エリアの主なテナント企業層であるIT産業・コンテンツ産業のご入居を見込んでいます。『SHIBUYAタワー』の入居内定率は現在のところ6割程度で、やはりIT・コンテンツ関連の企業が中心です」と述べている。
計画地は国道246号線やJR線により、東西および南北方向が分断されており、渋谷の特徴である谷地形の谷底から坂上にまたぐ地形の高低差が大きい地区であるため、駅と周辺地区をつなぐ歩行者ネットワークがぜい弱であった。今回の計画では街の分断や地形の高低差の解消にも取り組み、JR新改札口を基点に計画地と「渋谷ストリーム」をつなぐ新しい自由通路、国道246号線を横断する歩道橋デッキなど、回遊動線を構築し周辺地区とのバリアフリーなつながりを実現し、「渋谷」駅全体の回遊性向上にも注力する。東急不動産の岡田社長は「構想から約25年の歳月を経て、100名を超える地権者の方々と600回を超える協議を重ねながら計画を進めてきました。本計画を通じて渋谷の街の国際競争力をさらに高め、多様な人が集うまちづくりに貢献したい」と述べている。