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三井不動産 新宿三井ビルで実験を実施 光触媒を利用した水浄化装置を開発 他オフィスビルにも積極導入
2004.05.31 16:03
三井不動産(東京都中央区)は、光触媒(酸化チタン)の殺菌機能を利用した、池や噴水などに設置する水浄化装置を、テクノコア、船山、信州セラミックスと共同開発した。同社が新規開発するオフィスなどの鑑賞池・噴水や、外部にも販売していく。
同装置は、レジオネラ菌や藻の発生を抑制する薬剤を使用する必要がないため、環境面に優れ、スクリューが水流により自転するので蛍光灯の電気代以外のエネルギーは一切不要。薬剤費、清掃費などのランニング費用を大幅に削減することが可能。また、水の浄化のためにオーバーブローをする必要がなく、水の使用量を60%以上削減できる。開発にあたり、同社保有・管理のビルの敷地内の約100トンの水を循環する滝で実験を行い、常に浄化された水が循環するために滝や池のタイル部分が汚れにくく、清掃内容が大幅に削減できるため、ランニングコストも従来の約3割に削減できることが実証された。
従来の水浄化装置で課題となっていた酸化チタンを装置に付着させる際に使用されるバインダーは使用せず、低温溶射法を用いて、高い耐久性を実現している。大浴場やプールの浄化への期待もあるとし、今後実験を進め、展開していく意向だ。