不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2023.06.12 10:21
ホスピタリティオペレーションズ 「スマイルホテル」ブランド相次ぎリニューアル
全国でホテル、グランピング、スキー場、ゴルフ場、飲食事業、保育園などのホスピタリティ事業を展開しているホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)は8月10日、福岡県北九州市に「スマイルホテル小倉」をリブランドオープンさせる。同社が運営する「スマイル」ブランドのホテルとしては全国で68店舗目となる。
同ホテルは、JR「小倉」駅より徒歩約7分に位置、周辺にある小倉城や門司港レトロ、あさの汐風公園など多数の観光名所へも近い。
鉄筋コンクリート造陸屋根8階建て(ロビー1階/客室2~8階)、延床面積1995・47㎡、客室は1~2名利用のダブルルーム106室を用意。ロビーはスタイリッシュな演出を施し、開放感あふれる中庭にはオープンテラスを配置した。
この他、朝食会場、コインランドリー、飲料自動販売機、製氷機、加湿機能付空気清浄機などを設置している。
同社はまた、同時期に北海道札幌市に「スマイルホテル札幌すすきの南」をリブランドオープンさせる。同ホテルは札幌市営地下鉄「豊水すすきの」駅より徒歩約3分に位置。日本庭園や国の重要文化財指定の建物がある「中島公園」は徒歩圏内、札幌を一望できる「さっぽろテレビ塔」は電車で約10分と、人気の観光名所へのアクセスも至便。
客室は123室(ダブルルーム・ツインルーム・ユニバーサルルーム)、朝食会場、コインランドリー、飲料自動販売機、製氷機などを配置する。
内装はシンプルでスタイリッシュ、ロビーや客室には北海道内の観光地をデザインに取り入れた装飾が施されている。浴室はハンドシャワーのほか、レインシャワーを完備。ベッドサイドとデスクにはUSBポートを設置しているため、休みの際に手の届くところで充電できる。
同社は2005年の設立以来、「ホテル運営事業」、「リゾート運営事業」、「レストラン運営事業」、「運営コンサルティング」、「太陽光発電事業」を展開。主力のビジネスホテル「スマイルホテル」は全国にチェーン展開を行っており、既存ホテルの賃貸借、運営受託、フランチャイズなどオーナーの希望にあった契約形態で提案も行っている。
藤田観光×パーク24 台湾施設でコラボレーションルーム
藤田観光(東京都文京区)が運営するホテルグレイスリー台北(台北市)とパーク24(東京都品川区)では、同ホテルで「タイムズパーキング」のコラボレーションルーム2室(ダブル・ツイン各1室)の販売を開始した。
同ホテルは、2021年9月に日本からの旅行先として人気のある台北にオープン。商業施設「華山1914文化創造産業園区」が道路を挟んだ向かいにあり、ビジネスだけでなく観光目的の顧客の需要を取り込むとともに、台北内でのブランド認知を高めることでインバウンド誘客の相乗効果を図っている。
藤田観光では、ブランド認知を高める施策の一環として、複数の日本企業と連携しコンセプトルームを造成しており、今回のコラボレーションは5社目となる。
パーク24は、2006年より台湾で時間貸駐車場「タイムズパーキング」の展開をスタート。当時の台北は、日本と同様にクルマの普及とともに駐車場不足による違法路上駐車などが社会問題となっていたことから、日本で培ったノウハウを生かし社会課題の解決に向け駐車場開発に取組んできた。現在では、台湾全土で750件を超える駐車場を提供しており、2021年3月からは、ホテルグレイスリー台北の地下駐車場も「タイムズパーキング」として管理・運営している。
今回のコラボレーションルームは、台湾での「タイムズパーキング」の事業規模の拡大とともに認知の広がりを受けて台湾のユーザーに日本国内で最大規模のサービスをより身近に感じてもらいたいパーク24と、特別な宿泊体験を提供したいという「ホテルグレイスリー台北」の双方の思いが合致し実現に至った。
室内には、「Times PARKING」の看板を模した装飾やロゴを用いた枕やベッドスロー、壁紙などを設置している。
TKP 大分交通の保有地にアパホテルを建設へ
空間再生事業を展開しているティーケーピー(TKP、東京都新宿区)は、ホテル建設・開業用の土地を長期にわたって賃貸借する契約の締結に向け、大分交通(大分県大分市)との基本合意書を締結した。
TKPは創業以来、遊休不動産を活用して空間を再生し、付加価値を加えた総合的な空間サービスを提供する、空間再生流通事業を展開してきた。
六本木の小さな貸会議室から開始した同事業は企業の働き方やオフィスに対する価値観の変化を背景に急拡大し、現在全国に約240施設の貸会議室や宿泊研修施設を展開、国内大手企業を中心とした年間利用顧客数約3万社の顧客基盤を有している。
同社は、更なる企業価値向上に向け、これまでの空間再生流通の幅を広げ、地方創生や企業・事業の再生へとその事業領域を拡大していく考え。既に大分県内では、別府市にある上人ヶ浜公園整備運営事業の設置者に選定され、県内の経済活性化に向けた取り組みを進めているが、今回、大分交通が大分県大分市に所有する約680㎡の土地について、TKPが長期で賃貸借契約を結び、土地の有効活用を行うこととなった。
長引くコロナ禍からの経済再開が進み、新型コロナウイルス感染症の、感染法上の分類が5類へ移行される中、今後さらなる観光需要・インバウンドの盛り上がりが期待されている。
特にインバウンドの地方経済への取り込みは、今後地方都市の重要な課題となる。TKPは、今回契約する土地にアパホテルを建設・開業することを前提に検討を進めることで観光需要の受け皿を広げ、さらなる事業拡大の可能性を検討していきたいという。
セクションL インバウンド見込み3棟開業
長期滞在型ホテルオペレーターであるセクションL(東京都千代田区)では、自社ブランドのホテル「Section L Tsukiji」を東京都中央区築地で、「Section L Kuramae」を台東区駒形、「Section L Yushima」を文京区湯島に開業させた。
同ブランドは、「ボーダーレスなコミュニティ」を理念とし、今回の3棟でも「海外からのゲストが日本の生活に溶け込める滞在」を提供するため様々な工夫を凝らしている。
家具には北欧の高級家具メーカーArtekやHAY等を取り入れ、ルームアートには東京の地にゆかりのある国内外で活躍するグラフィックデザイナーを各物件に起用。西洋・東洋のエッセンスが折り混ざる空間を提供する。
同ブランドのホテルは、平均滞在日数5泊以上の顧客をターゲットとし、長期滞在可能な空間設計。全室に「調理器具完備のキッチン、洗濯乾燥機、リビング・ダイニングエリア機能」を備え、ホテルスタンダードのサービスを提供する。
宿泊者はSECTION LのアプリInterSectionへ登録すると、SECTION Lに泊まっている他の宿泊者と繋がる事が可能。ロビーでは、毎週宿泊者限定のフリーカクテル・アワーを開催し、多国籍な旅行客のソーシャライジングをサポートする。
ホテル周辺の飲食店、文化施設、銭湯などにも同ホテルのスタッフが足を運び、ボランティアの写真撮影などを通し、ローカルコミュニティとの関係構築を行っている。海外旅行客にとって入り辛い店等にも、安心して現地の文化を体験できるよう、寝泊まりする空間以上のホスピタリティを提供していく。
西武・プリンスホテルWW 「グランドプリンスホテル大阪ベイ」開業
西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京都豊島区)では、星野リゾート・リート投資法人(東京都中央区)が保有するホテル「グランドプリンスホテル大阪ベイ(現・ハイアットリージェンシー大阪)」を7月1日にオープンさせる。
同ホテルは、フルサービス型のプリンスホテルブランド「グランドプリンスホテル」を冠したホテルとして大阪市内初出店、国内4店舗目となる。敷地面積は3万483・14㎡、延床面積8万197・60㎡、地上28階建て、地下1階。
480室の客室をはじめ、さまざまなスタイルのレストランの他、約1800㎡の宴会場を筆頭に大小さまざまな宴会場を有している。
同ホテル内には、上層階、最上階に星野リゾートが運営に携わる「リゾナーレ大阪」があり、1つの建物で複数のブランド体験が可能な世界的にも珍しい「コラボレーションホテル」となっている。
同ホテルが位置するベイエリアは、2025年大阪・関西万博の開催予定地である夢洲にも近く、水族館や人気のテーマパークにもアクセスしやすいため、ビジネス・レジャーともに便利な場所にある。また周辺には大阪最大級のMICE施設「インテックス大阪」もあることから、大型国際会議を受け入れてきた同社の営業力と経験、運営ノウハウを生かし、地域一体となってMICE誘致にも取り組んでいきたいという。