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AIが不動産業界を変える 不動産の収益を最大化するロボット建築士とは
2017.12.04 10:58
AIが様々な場所で活躍している。将棋の世界ではプロ棋士と互角に譜面を打ち、投資の世界ではロボットアドバイザーが資産運用に係る。活躍の場は不動産業界にも広がり始めようとしている。
ZWEISPACE JAPAN(東京都千代田区)では10月18日、AIを活用したロボット建築士兼ロボット不動産査定士「オートカルク」(特許出願中)を発表、同日より土地の建設プランと家賃の総収入を自動測定する無料アプリ「AutoCalc」をオープンした。
代表取締役CEOの亀田勇人氏は元々ソフトバンクグループやオープンハウス(東京都千代田区)の社長室長などを歴任。昨年、ZWEISPACE JAPANを設立した御仁。
「『Pepper』などのヒューマノイドロボットの開発を考えていました。しかし少々時間がかかるということで、これまでの不動産業界で培ってきた知識などを生かして不動産業界でのAI活用と取り組んだのです。その第1弾が今回発表した『オートカルク』です」
「オートカルク」のAIには日本全国のエリアの膨大な土地価格や周辺賃料データなどが記憶されている。加えて建ぺい率や容積率を考慮して、どのような建築物が収益を最大化できるかを計測し容易に結果をはじき出すことができる。サイトでは住所・最寄駅、駅からの所要時間、土地面積、容積率・建ぺい率、建物の構造、そして土地の形状を選択する。加えて、アパート、オフィス、戸建、パーキングなど用途を選ぶこともできる。更に道路幅などを設定、これらの情報をもとに計測が始まる。
そこから最適な階層や部屋数、想定される月の家賃収入、資産価値、建物価値、土地価値などを推定する。要する時間は30秒ほど。
「通常、ここまでの計算をするためには建築士や不動産鑑定士などに依頼するため、期間としては2週間ほどかかります。加えて、それぞれの土地に見合った最適な建物構造を提案できるかは建築士の経験と能力に大きく左右されます。『オートカルク』にはエリアの土地価格や賃料データはもちろんのこと、建物構造や間取りに関しても最適なプランを計算することが可能です」
同社では「オートカルク」以外にも地震診断・耐震アプリ「NAMAZU」、また不動産仲介手数料サイコロ割引アプリ「お不動くん」なども展開している。「『お不動くん』は買主・売主双方にとって仲介手数料が割り引かれる仕組みとなっています。仲介手数料を必要としない業績好調な不動産会社と組むことで、大きなうねりとなると信じています」(亀田氏)。
AIをはじめとして、様々な仕掛けを用意しているZWEISPACE JAPAN。亀田氏は「日本国内だけでなく、世界への展開を目指していきたい」と話す。日本の不動産業界にもAIが主役となる足音が聞こえだした。