不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2023.07.10 10:26
西武・プリンスホテルズワールドワイド 星野リゾートとのコラボレーションホテルを開業 事業拡大目指す
2ブランドが同居 上階に「リゾナーレ」
西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京都豊島区)は、大阪府初出店となる「グランドプリンスホテル」ブランドを冠したホテル「グランドプリンスホテル大阪ベイ」を7月1日にオープンさせた。
同ホテルは、ニュートラム南港ポートタウン線「中ふ頭」駅から徒歩約3分に位置。敷地面積3万483・14㎡、延床面積8万197・6㎡。地上28階、地下1階建て。施設保有会社は星野リゾート・リート投資法人。
さまざまなタイプの客室やレストランの他、約1800㎡の宴会場をはじめとする20の宴会場を有する。同ホテル内には、上層階および最上階に星野リゾートが運営に携わる「リゾナーレ大阪」があり、1つの建物で複数のブランド体験が可能な世界的にも珍しい「コラボレーションホテル」となっている。
同ホテルが位置するベイエリアは、2025年大阪・関西万博の開催予定地である夢洲にも近く、水族館や人気のテーマパークにもアクセスしやすいため、ビジネス・レジャーの需要が高い。大阪市内では味わえない絶景を生かしたサービスや体験を提供することで、回復傾向にある国内外の観光需要の取り込みを図っていく。
また周辺には大阪最大級のMICE施設「インテックス大阪」もあることから、大型国際会議を受け入れてきた同社の営業力と経験、運営ノウハウを生かし、地域一体となってMICE誘致にも取り組んでいきたいという。
西武・プリンスホテルズワールドワイドは、2022年4月1日にホテル運営に特化した会社としてスタートし、国内外87ホテルから250ホテル規模への事業拡大を目指している。
大阪では、昨年11月に宿泊特化型のホテル「プリンス スマート イン 大阪淀屋橋」を開業。今後、アメリカ・ニューヨークに「ザ・プリンス キタノ ニューヨーク」として既存ホテルをリブランドオープンするなど、国内外での拠点拡大を加速させている。
同社はまた、2024年初頭に名古屋市栄エリアに「プリンス スマート イン 名古屋栄」を開業させる。同ホテルは2021年に営業を終了したホテルを改装のうえ、同社が運営を受託し、宿泊特化型ホテルブランドとしてリブランドするもの。
同ホテルは敷地面積約998・5㎡、延床面積約6534・2㎡、鉄骨造、地上10階、客室数は245室を予定している。「栄」駅と「伏見」駅の間に位置し、オフィス街と名古屋有数の繁華街である栄からのアクセスが良く、ビジネスとレジャー両面で利便性の高い立地にある。同社が名古屋市でホテルを運営するのは2017年にグローバルゲート内に開業した「名古屋プリンスホテル スカイタワー」に続き2店舗目、「プリンス スマート イン」ブランドのホテルとしては初の出店となる。
同社は2022年4月1日に「西武・プリンスホテルズワールドワイド」として新たなスタートを切り、ホテル運営に特化したアセットライトな事業運営を展開。今後現在の国内外86ホテルから250ホテル規模への事業拡大を目指している。その中で「プリンス スマート イン」は宿泊特化型のホテルブランドとして、国内の多店舗化を加速する役割を担っており、昨年10月13日に「プリンス スマート イン 博多」、11月16日に「プリンス スマート イン 大阪淀屋橋」、11月22日に「プリンス スマート イン 那覇」を開業し、積極的な新規出店を続けている。
さらに2023年にはアメリカ・ニューヨークに「ザ・プリンス キタノ ニューヨーク」をリブランドオープンするなど、国内外での拠点拡大を加速させている。
今回開業する「プリンス スマート イン」はデジタル世代と呼ばれる若年層をメインターゲットとした宿泊特化型ホテルブランド。
ICTやAI技術を導入した非接触型のサービスを基本とし、予約からチェックアウトまで、スマートフォン一台で完結するシームレスなサービスの提供により、ニューノーマル社会で求められる「安全・安心」と若年層の顧客が求める「スマートな滞在ニーズ」を同時に実現させる。
TKP 「アパホテル」大型宴会棟を受託
ティーケーピー(東京都新宿区、TKP)は、「アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉」(千葉市美浜区)施設内にある、千葉県下最大級の2000名収容可能なホールを含む宴会棟を「TKP東京ベイ幕張ホール」として2023年7月1日より運営開始した。
TKPでは2010年より、同ホテル内の宿泊施設棟の48階で「TKPガーデンシティ幕張」を運営している。このほど既存運営施設に加え、ホテル棟46階にあるスカイチャペルや宴会場を増床、また、隣接された宴会棟を運営受託したもの。
今回増床する面積(1万2352㎡)を合わせ、総面積は1万3561㎡となり、同社は大規模なブライダル・宴会・会議室の複合施設を運営することとなる。
「アパホテル&リゾート<東京ベイ幕張>」は、JR京葉線「海浜幕張」駅から徒歩7分、周辺には幕張メッセ、ZOZOマリンスタジアム、三井アウトレットパーク幕張、イオンモール幕張新都心などがある。
新型コロナウイルス感染拡大で対面イベントの抑制が続き、一時的に大規模な宴会場・会議室が減少していたが、その需要は、新型コロナの感染法上の分類が5類へ移行したことにより、急速に回復。今後の本格的なリアルスペースの需要回復を見据え、積極出店の一環として決定したもの。
ダイナテック 客室精算・チェックアウトシステム導入
ホテルシステムを展開しているダイナテック(東京都千代田区)では、ホテル管理システム「Dynalution(ダイナリューション)」において「客室精算・チェックアウト」の販売を開始。
宿泊施設の大きな課題の一つ、チェックアウト時の混雑の解消の一助となるサービス。同機能では、客室等の二次元コードの読み取り、宿泊施設のLINE公式アカウントからアクセスすることで、フロントに並ぶことなく、客室でゲストの好きなタイミングに合せて宿泊費の精算・チェックアウトをすることが可能になる。
ゲストにとっては非接触での精算・チェックアウトは感染症対策の面でも安心感を与え、列に並ぶ時間と混雑を回避することで、より多くの時間を自由に過ごすことが出来るようになる。
一方、フロントスタッフにとっても、チェックアウトで対応するゲストが減ることで業務負担の軽減を実現、業務の効率化につながる。
同社は、宿泊施設に特化したホテル管理システム(PMS)の「Dynalution(ダイナリューション)」、自社宿泊予約システム「Direct In(ダイレクトイン)」の2つを柱に、創業以来35年、日本中の宿泊施設にトータルソリューションを提供。「LINK Smile」をミッションに掲げ、宿泊施設のDX支援を進めている。
ビーロット 販売物件を長期保有に
ビーロット(東京都港区)では、主力事業である不動産投資開発事業で、「ホテル・トリフィート博多祇園」(福岡市博多区)と「ホテル・トリフィート金沢」(石川県金沢市)を一棟新築ホテルとして開発、販売用不動産として商品化を進めてきた。
このほど同社は、2020年11月に開示した中期経営計画での収益構造改革の一環として、コロナ渦においても日本国内での宿泊需要を取り込み、安定稼働をしてきた2棟のホテル施設を販売用不動産から固定資産へ振替えし、長期保有することに決定した。
「ホテル・トリフィート博多祇園」は、地下鉄空港線「祇園」駅徒歩約5分、「中洲川端」駅徒歩7分に位置し、2020年7月新築。鉄筋コンクリート造陸屋根9階建て、敷地面積1035・45㎡、延べ床面積3604・21㎡、客室数130室。
一方、「ホテル・トリフィート金沢」は、JR西日本「金沢」駅徒歩約4分、2021年2月新築。鉄骨造、陸屋根13階建て、敷地面積747・62㎡、4781・79㎡、客室数161室。
コアグローバルマネジメント Tabistと業務提携
ホテル運営会社のコアグローバルマネジメント(東京都中央区)は、Tabist(東京都港区)と、双方の業務の安定と拡大のために業務提携を開始した。
ホテル業界・観光業界は新型コロナの影響からの復活の兆しが見え、両社は業況の拡大に向けての動きを活発化させている。同社の今後の事業展開にはTabistが得意とするDX化の推進を効率的に行うことが必要であるとともに、Tabistにとってもリゾートホテル等の分野へより広範囲な展開が行えるようになるなど、多くのシナジーを生み出すことを目的としている。
同社は、ホスピタリティの高いホテルサービス、独自の強い送客力モデルの提供、及び企画力による新しい価値を創造することで、今までにない人気のホテルを生み出すことに大きな役割を果たしている。今回の提携を機に、同社の培ってきた多様性のあるホテル運営ノウハウを提供する。
また、同社はTabistの独自のテクノロジー用いたシステム及びノウハウを提供してもらうことで、DX化の効率的な推進はもちろん、更に新しい価値を生み出すことに繋げていきたいという。