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東急コミュニティー マンション居住者の災害対策に関する調査公表
2017.11.20 17:21
震災被害の経験・非経験で差が浮き彫りに
東急コミュニティー(東京都世田谷区)は、災害対策の課題と実効性のある対策の啓発を目的に、30代以上の男女3128名のマンション居住者を対象に災害対策の実態や防災意識に関するアンケート調査を10月に実施。調査結果では、震災被害経験者と非経験者の回答を比較・分析することで、世帯単位で行う「自助」、およびマンション単位で行う「共助」の災害対策の実態や課題が浮き彫りとなっている。
災害対策について家庭内で行っていることに関するアンケートでは、震災被害経験者と非経験者の間で差が大きく開いた対策は「命のリスク」、「ライフラインのリスク」、「生活必需品のリスク」の3つのカテゴリーに分類されることが分かった。経験者は被害の実体験を踏まえた対策を行っていると考えられ、非経験者との実施割合の差の大きさは防災意識の差を表しているといえる。また、過去の大きな震災で最も多かった被害は「家具や家電製品の転倒」である。これは前述のカテゴリーの中では「命のリスク」に分類され、まずはこの「命のリスク」への備えを優先させ、生き延びることよりも生き残るための対策を行う必要があると考えられる。
次に、災害を想定して行ったことに関するアンケートでは、震災被害経験者と非経験者での比較で差が大きく開いた行動は「家族で災害発生時の想定や行動を話し合った」、「家族と災害時の集合場所や連絡方法を確認した」であった。経験者は非経験者に比べ、家族と災害時の対策について話し合い、確認している割合が高いことが分かった。しかし、いずれの行動も実施率が高いとはいえない状況で、マンション居住者に対して災害を事前にシミュレーションして対策する重要性について、一層の普及啓発が求められると同社は分析している。