不動産トピックス
ホテル運営会社次の一手を探る
2023.10.02 10:13
ホスピタリティオペレーションズ×SQUEEZE クラウド宿泊運営システムを順次導入
ホテル業界のDXを推進するSQUEEZE(東京都港区)は、ホスピタリティオペレーションズ(東京都千代田区)との業務提携を強化する。SQUEEZEが提供するクラウド宿泊運営システム「suitebook」の導入を順次進めていく。
9月1日にホスピタリティ社がリブランド施設として開業・運営開始した「スマイルホテル東京新小岩」(東京都葛飾区・232室)で、200室以上の規模での初の導入事例として、「suitebook」を採択した。ホスピタリティ社におけるsuitebook導入は同施設が8施設目となる。
今回開業した「スマイルホテル東京新小岩」は、スマイルホテル・スマイルホテルプレミアムブランドのホテルとして東京都内10店舗目、全国69店舗目となる。今回のリブランド開業に際しsuitebookの導入を行い、フロント業務の効率化を推進した。
具体的には、即時切替に対応した、既存システムとsuitebookのマルチ運営体制の構築として、リブランド開業日にあわせて即時でのシステムの切替を可能に。過去の予約や先々の予約などを事前に取り込み、即時でのシステム切替でも問題ない運用を実現した。また、既存運営との変更点整理と新たなオペレーションを構築を行った。
過去の運営では、宿泊予約サイトから取り込まれた予約情報に誤りがないかを1件ずつ確認する必要があった。suitebookの導入により、正確な情報が取り込め、作業コストの削減と運営効率化が実現した。
また、過去の運営では予約情報の印刷と確認が必要だったが、suitebookに集約された情報を確認しながら運用でき、ペーパーレス化を実現した。
更に、過去の運営では、オンプレミス型の運営システムを利用していたため、遠隔地からの予約状況の把握や対応・レポート閲覧ができなかったが、クラウド型の同社システムの導入により、遠隔地からの運営管理が可能となった。同時に、これまでsuitebookを導入している施設間での横軸での運営管理、顧客管理も可能となり、本部業務の効率化も実現した。
ホスピタリティ社はこれまでに、「スマイルホテル博多」、「スマイルホテル大阪四ツ橋」をはじめとするスマイルホテルブランドの運営施設へのsuitebookの導入および、それに伴う業務効率化、ペーパーレス化、DX化などの取組みを行ってきた。今後も各施設の支配人とも連携し、予約の処理機能やレポート機能などの改善・機能強化の取組みを日々進めていきたいという。
SQUEEZEが展開するクラウド宿泊運営システム「suitebook」は、宿泊業務の生産性を高めるオペレーションプラットフォーム。複数ホテルの一元管理やフロント業務・マーケティング業務のクラウド提供、モバイルチェックイン、外部システムとの柔軟なAPI連携などにより、業務の自動化や遠隔での接客が可能だ。同社はまたスマートホテル事業として「Minn-ミン」、「Theatel-シアテル」というブランドを展開している。
グランビスタ ホテル&リゾート 全施設にアメニティコーナー設置
グランビスタ ホテル&リゾート(東京都千代田区)が運営する、価値体験型ホテル「インターゲートホテルズ」では、9月15日より全ホテルにてアメニティコーナーを設置している。
アメニティコーナーでは、宿泊時に便利なアメニティや基礎化粧品を用意。基礎化粧品では、(雪肌精)洗顔・化粧水・乳液・クレンジングオイル、(エルリ)洗顔・化粧水・乳液・クレンジングオイルのほか、ヘアブラシ、ヒゲソリ、シャワーキャップ、ヘアゴム、コットン、ヘアターバン、綿棒等を用意する。
2021年4月に開業した「ホテルインターゲート大阪 梅田」では、開業当初より宿泊時に便利なアメニティを取り揃えたアメニティコーナーを設置。この取り組みは「種類が豊富で選ぶのが楽しい」「必要なアイテムを必要な分だけ使用できるのが嬉しい」など幅広い利用客から人気を博している。
同社は、ブランドステートメント「地域の価値で、未来を変えていく。」をカタチにしたプロジェクト「Shaping the Global Future」(共有価値創造活動)を2014年から開始し、環境や地域、食について様々な課題に事業活動を通じて向き合うことで、地域や世界へ価値を生み出す取り組みを行っている。
グランビスタ ホテル&リゾートは、北海道で初めての本格的洋式ホテルとして誕生した北の迎賓館・札幌グランドホテルを有する。また、全国各地にシティホテル、ビジネスホテル、温泉旅館、総合海洋レジャー施設、ゴルフ場、ハイウエイレストランなどの施設運営を行っている。
アコーグループ 2024年春に11軒を一斉開業へ
フランス・パリを拠点とする世界最大級のホスピタリティグループ・アコー(本社・フランス 日本法人・東京都港区)は、日本初上陸となる「グランドメルキュール」12軒の開業に加え、日本で既に展開している「メルキュール」11軒の合計23カ所、約6500室を、2024年春に一斉開業させる計画だ。また、沖縄最大規模のプールを擁する「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」等を改装する。
「グランドメルキュール」は、「Proudly local ~その地に、誇りを~」をコンセプトに、世界で12カ国、約60の拠点を有し、それぞれの土地を象徴するような香り、地元の食材を用いた食体験などを通して、その土地の文化・慣習に深く浸ってもらえるアップスケールホテル。「メルキュール」は、「Local inspired hotel~ローカルインスピレーションから生みだされるホテル~」をコンセプトに、60カ国以上、900を超える拠点を有する国際的なネットワークを活かし、様々な土地の魅力を食・デザインを通じて感じ取ってもらえるミッドスケールホテル。
「グランドメルキュール沖縄残波岬リゾート」は、那覇空港から車・タクシーで約60分、地上13階、客室数465室。レストラン、ウェルカムラウンジ、ガーデンプール、大浴場、洋宴会場7、和宴会場1などを併設する。また、「グランドメルキュール八ヶ岳リゾート&スパ」は、「甲斐大泉」駅から徒歩約15分。地上7階地下1階、客室数250室。レストラン、ウェルカムラウンジ、大小6の和宴会場、展望デッキなどを併設する。
同社は40を超えるラグジュアリー、プレミアム、ミッドスケール、エコノミーのホテルブランド、エンターテインメントやナイトライフの会場、レストランとバー、プライベートレジデンス、シェア宿泊施設、コンシェルジュサービス、コワーキングスペースなどを展開している。
ホテルオークラ神戸 客室内に約3000室のマンガ
「ホテルオークラ神戸」(神戸市中央区)では、客室内に約3000冊の漫画本を設置した「MANGA ROOM」を1日1室限定で販売する。
同ホテルでは近年の漫画ブームに注目し、周りを気にすることなく思いっきり漫画の世界に浸ってリフレッシュしてもらいたいとの思いから、同客室の販売に至ったもの。
新たに誕生する「MANGA ROOM」は、ベッドからも漫画本を手にとりやすいように配置した本棚に、話題の作品から歴代の名作を中心に多様なジャンルの作品約3000冊(約100タイトル)を揃えており、滞在中に自分のペースで読みたいだけ読むことができる。
同ホテルは、神戸のウォーターフロント、メリケンパークに立つランドマークホテル。「清楚にして優雅」をコンセプトにした客室からは、六甲の山並みや神戸の街並み、遊覧船や観覧車、灯台など、東西南北で異なる表情をみせる神戸の風景を見ることができる。館内は日本古来の伝統や自然をモチーフにしたデザインが随所に散りばめられている。
フィルカンパニーと両備HDが業務提携
空間ソリューション事業を展開するフィルカンパニー(東京都中央区)と、両備ホールディングス(岡山市北区)はこのほど、不動産事業における包括的な業務提携契約を締結した。
フィル・カンパニーは、「Phil=共存共栄」を企業理念として、空間ソリューション事業「空中店舗フィル・パーク」、ガレージ付賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」などのサービスを展開している。これらの事業は、駐車場(コインパーキング)の上部「未利用」空間や郊外の空き地、資材置き場など従来活用が困難な場所を企画対象に、新たな価値を創造し、土地オーナー・入居者・地域に取って「三方良し」を実現している。
一方、両備HDは、創業以来100年超に亘り、人・モノ・情報を「運ぶ」ことに特化して事業を拡大し、現在は「トランスポーテーション&トラベル部門」「ICT部門」「くらしづくり部門」「まちづくり部門」の事業セグメントで40社超の企業数を擁す両備グループの中核企業。 まちづくり部門においては、街の価値を高めるまちづくりを目指し、分譲マンション、宅地分譲・オフィス開発・ホテル開発・物流施設開発・私募REITの組成運用などの幅広い事業を手掛けている。
利用者のニーズが多様化、都市の中心街の空洞化が進展する中で、両備HDが有する全国へのネットワーク・不動産に関する知見・ソリューションと、フィル・カンパニーが有する空間活用の強みを掛け合わせ、社会課題の解決に貢献する新たな価値創出の仕組みづくりと、事業の飛躍的な拡大を目的に協業することに関して、両社で合意。業務提携契約を締結したもの。
具体的には、両社による合弁会社の設立又はファンドの組成による共同開発スキームの構築、「空中店舗フィル・パーク」及び「プレミアムガレージハウス」の大型物件の共同開発などを計画している。両社は今後、数年間で5~10件、取扱高ベースで総額100億円を目指していきたいという。