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<新テナント紹介>駅前立地に足流マッサージ店 「健康マージャン」の利用者とも相乗効果

2018.12.24 16:24

手ではなく足でもむ 幅広い年代から支持
 JR「町田」駅ターミナル口徒歩2分の場所に立地する「内藤ビル」3階で12月7日、新テナントが入居した。業態はマッサージ。よく見かける手押しではない、足裏マッサージだ。
 テナント名は「足流ふぅーむ」。代表の中澤美差子氏はもともと温浴施設で足流マッサージのスタッフとして勤務。自身が足マッサージの世界に入ったのは「身体のコリがとれず、通常のマッサージでも効果を感じなかった。ふと入った足裏マッサージですぐに効果がでて、通い続けた」体験がきっかけになった。
 ターゲットとなる客層は幅広い。温浴施設時代は20~80代まで幅広く来店。メーンは50代前後だったが、「若い女性も手もみだと『もみかえしが来る』とのことで、常連となった方も」とのこと。同ビル3階には健康マージャンも入居していて、地域の高齢者を中心に多くの人が足しげく通っている。相乗効果も期待できそうだ。
 実際記者が体験。施術はうつぶせになり、服の上から肩から胴までをタオルで覆う。施術スタッフは足袋を履き、足裏全体で踏むので痛みも少ない。
 ただ中澤氏によると「特に『癒し』がメーンニーズの場合には合わない方もいます」という。
当初はワンルームも検討 オーナー直談判でビル一面に
 今回駅前一等地に店舗を構えた「足流ふぅ~む」。はじめての出店だったために「資金的余裕はなかった」と話す。そのため当初はマンションの一室を借りて運営し、「成功すれば」テナントビルに進出する予定だった。
 そのことを関係者から聞いたのが「内藤ビル」オーナーの内藤太郎氏。
 「知名度もない、はじめての出店でマンションの一室だったら成功するわけがない。人目のつくところに出店し名を広めるべきだ」。そのように思い立って中澤氏と面会。3階の一画がたまたま空いていたこともあって、賃料をディスカウントして賃貸することになった。
 内藤氏は「出世したら通常賃料よりも高くいただきますよ」と冗談を言いつつも、次のように話す。  「これからのビル経営で単純に大家業をやっていくだけでは厳しくなっています。オーナーがテナントの成長に期待して最初は投資する、そういう気持ちが必要ではないでしょうか。地元貢献をモットーにしているが、新しいテナントができればビル利用者はもとより、エリアの人たちの利便性も増します。オーナーとしてできる貢献の形を今後も探していきたいです」
 ベンチャー支援というと資本力のある大企業が行っているものと思いがち。しかし、「内藤ビル」の取り組みも「草の根」のベンチャー支援といったところだろう。




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