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電源開発本社ビル証券化決定 売却価格は215億円を予定 9月中の実施に向けて最終調整

2001.09.10 16:02

 今月4日、電源開発(東京都中央区)は銀座に所有する本社ビル(通称でんぱつビル)の証券化を実施すると発表した。売却価格は215億円を予定しており、SPCは内155億円を社債の発行、残額を銀行借り入れなどにより、資金を見込みだ。
 今月4日、電源開発の本社ビル証券化が発表された。同ビルは東京・銀座に所在し、昭和62年竣工、地上16階・地下4階、敷地面積3775.11平米、延床面積3万4326.21平米の大規模ビル。
 同社は昭和27年に設立された国策会社で、主に水力・石炭火力発電所の建設・運転をはじめとする卸電気事業を展開してきたが、平成6年9月、民営化方針が閣議決定されており、これに向け、財務体質の強化を図っていた。このため、同社では今年度より第三次企業革新を実施することとし、財務基盤強化の一環として、本社ビル証券化実施に至ったという。
 今回発表された証券化の具体的な内容尾は一般的な不動産の証券化と同様に物件を信託した上で、特別目的会社(SPC)に信託受益権を売却し、SPCが社債の発行及び銀行からの借り入れにより、購入資金を調達する。売却価格は215億円を予定しており、SPCはその内155億円を社債の発行、残額を銀行借り入れなどで資金調達を行う見込み。同社では証券化の実施以降も7年間の賃貸借契約を結び、引き続き本社ビルとして使用する。
 社債については、ムーディーズ及びスタンダード・アンド・プアーズの2社から格付を取得する予定。証券化全般のアレンジはみずほ証券が務め、9月中の実施に向け、最終的な詰めを行っている。




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