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三井物産が世界最大手のビルメン会社と提携 M&Aを駆使した業容拡大を志向

2001.05.14 15:00

 三井物産(東京都千代田区)は、ビルメンテナンス事業で世界最大のアイ・エス・エス(以下、ISS)と提携することを発表、M&Aを駆使した業容拡大を志向する。
 三井物産の100%出資子会社であるネスコ(東京都渋谷区)が株式移転により持ち株会社を設立し、ISSがそこに資本参加するというもので、出資比率は各50%。持株会社の傘下に事業会社を順次設立して行き、ビル・メンテナンス事業を分社経営の形で積極的に展開して行く。
 国内市場規模2.6兆円と言われる巨大産業であるビル・メンテナンス業界だが、メンテナンスコスト抑制への動きや業者間の競争の激化などを背景に各業者単体での業績は低下傾向にある。三井物産では、今後、アウトソーシングの強化や親会社の本業回帰の影響を受けて清掃子会社の統廃合が進み、大規模な業界再編が起こると見ており、ISSと戦略的アライアンスを組むことで、旧態依然としたビル・メンテナンス事業に近代的経営スタイルを導入し、同社のサービス事業の中核のひとつとして、ビル・メンテナンス事業を積極的に推進していく。
 持株会社は今月中旬に設立を予定しており、名称は物産アイ・エス・エス・ホールディングス(以下BISS)、資本金は1億円。BISSは戦略企画と傘下企業管理に特化し、実際の業務を遂行する事業会社とは明確に機能を分担するという業界では新しい経営形態を探る。
 また、ISSが世界で展開するビル清掃や設備保守等の手法を導入して日本での同業務のサービスの向上を図る。ISSは企業の合弁・買収で豊富な経験を持っており、日本でも同業他社の買収を積極的に行う方針で5年を目途に業界トップクラスになることを目指す。
 ネスコは1973年設立、オフィス・ビル清掃を中心に警備、設備管理、駐車場管理等を手がけ2000年度の年間売上高は36億円。
 ISSは1901年にデンマークのコペンハーゲンで警備会社として発足。1934年に清掃業に進出。以来、スカンジナビアを中心に事業を展開し、近年はヨーロッパ、アジア、南米にも積極的に進出して事業規模を急速に拡大している。現在、連結ベースでの従業員総数は27万人。世界36ヵ国で事業展開し、2000年12月期の年間売上高は4300億円で、清掃業界では世界最大。総勢61の持株会社が120社に及ぶ傘下企業を管理している。同社は以前より日本市場への進出を検討していたが、日本市場では単独進出よりもビル・メンテナンス会社のネスコを保有し、事業所向け給食業界では最大手であるエームサービスの筆頭株主である三井物産とアライアンスを組むことにより、オフィス・ビルのみならず、病院、空港、食品工場等、幅広い分野でサービスを提供し、一挙に市場シェアを伸ばす方針だ。




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