週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

<トピックス>芝公園プロジェクトⅡに外務省一括入居 愛宕グリーンヒルズと一騎打ちの末

2001.01.15 17:21

 今年7月港区に竣工する住友不動産の「芝公園プロジェクトⅡ」に外務省が一棟借りで入居するという情報が入ってきた。
 この移転は霞ヶ関の外務省庁舎の建て替え工事によるもので、入居期間は3~4年の短期間になるものと思われる。
 「外務省としては霞ヶ関との交通便を変えやはり7月に完成する森ビルの『愛宕グリーンヒルズ』も移転先の有力候補として考えていたようですが、最終的にはセキュリティ性が決め手になって『芝公園プロジェクトⅡ』に落ち着いた様です」(関係者)
 つまり外交機密などのトップシークレットを扱うことの多い外務省にとっては情報の漏えい防止は最重要課題となる。そういった事情の元では、他テナントとの同居を余儀なくされる愛宕グリーンヒルズよりは同省だけでは全館一括使用が可能な芝公園プロジェクトⅡの方が都合が良かったということになるという訳だ。
 また政府関連や諸外国からの特別機が離発着する羽田空港との交通便を考えた結果ではないかという声もあがっている。
 いずれもせよビル側にしては絶対に倒産することのない長期優良入居者を確保した訳で、退去時期も現時点から明確になっており、次のテナント誘致についても計画的に行えるというメリットが生じたことになる。
 住友不動産は都内においては、新橋、浜松町一帯にビルを多数所有しており、昨年には芝公園ファーストビルを完成させている。
 今回の外務省誘致により同社の同エリアの優位ぶりが際立った形になったといえる。




週刊不動産経営編集部  YouTube