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三菱地所 タイ国内最高層のビルをオープン
2024.01.29 10:44
三菱地所(東京都千代田区)がタイ・バンコクCBDのセントラル・ルンピニエリアで進めていた大規模複合オフィスビル開発計画「One City Centre」が24日にグランドオープンした。
同ビルは延床面積約11万6000㎡、敷地面積約9700㎡、地上61階地下4階。高さは276mで、タイ国内最高層のオフィスビル。館内は賃貸オフィスと商業店舗からなり、貸付面積は約6万1000㎡(うちオフィス約5万7000㎡、飲食・リテール約4000㎡)。
2019年からタイの大手デベロッパーRaimon Land Public Company Limited社と共同で開発を進めてきた。三菱地所グループとして初のタイ国内でのオフィス開発計画で、総事業費は約88億タイバーツ(約361億円)。日系企業が手掛けたタイにおけるオフィス開発物件として過去最大規模の貸付面積という。
オフィス棟と商業棟(地上3階建て)の2棟で構成。オフィスフロアは1フロア約1370㎡で、最小賃貸面積125㎡から。全面ガラス窓の無柱空間とし、天井高は3000mmを確保した。
最寄りのBTS(高架鉄道)「プルンチット」駅とはスカイウォークで接続。高層階への輸送効率性を考慮し、37階にもロビーを導入すると共に、オフィスビル高層階には、優れた眺望を生かしたルーフトップバーやレストラン、敷地内・低層階には、街区面積の半分を占める広場空間や商業施設なども整備し、タイ初出店の人気日系飲食店やタイ国内で人気のフードコートを誘致するなど、既存物件との差別化を企図した商品企画を行った。
共用部分にコワーキングスペースや貸会議室も設け、駐車場におけるチケットレスシステムや就業者向けアプリ、顔認証システムなどのアメニティ・システムも導入した。
日系企業のテナントとして、泰国三菱重工業、三菱パワータイランド、コクヨインターナショナルタイランド、日本M&Aセンタータイランドが入居する。バンコクでは一般的に、竣工後の建物を実際に見た上でオフィス移転検討を行う習慣があるといい、立地の希少性や利便性・充実した共用施設等により、順調に入居が進んでいるという。
三菱地所はアジア・オセアニア地域11カ国で事業を展開中。2020年に開設した「三菱地所タイ社」は計24プロジェクト(約2万3500戸)の参画実績がある。