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ビジネス・ファミリー層を対象に 仏大手ホテルが国内でモーテル展開を計画
2000.11.27 11:16
長引く不況の影響からホテル業界にも価格破壊の波が押し寄せている。そういった中でフランスの大手ホテルチェーンが日本国内での格安ホテルチェーン運営を計画している。同チェーンと合弁で事業を進める紀州鉄道(千代田区)に話を聞いた。
今回、紀州鉄道及び仏ホテルチェーンが手がけるホテルは車での利用を前提に考えた上に夕食などのサービスを廃止することで価格を抑えた郊外型物件。日本国内ではこうした宿はカップル専用というイメージが強いが欧米諸国では「モーテル」として広く認知されている。
「今回当社と提携する仏ホテルは日本国内では高級ホテルを手がけていますがモーテルは初めてです。しかしホテル利用者のニーズの多様化などを受け、国内での普及拡大にも期待を寄せています」(紀州鉄道)
具体的な青写真はまだ未定だが、都心と観光地の中間となる衛星都市や大規模工業団地周辺の地方都市を中心に展開を図り、ファミリー層・ビジネス層を中心に取り込んでいく予定だという。
「一室あたり3名までの利用が可能で、一室一泊5000円程度の料金設定を予定しています。つまり3人で泊まれば一泊2000円もしない訳です。規模としては一棟あたりやく100室程度になると思います」
今後、出店地についても調査を進めていくが、理想的出店地としては、駐車場を含めた総敷地が800坪以上で、大型幹線道路に面した立地とのこと。
「少し大きめのパチンコ店跡あたりが理想といえます」(紀州鉄道)
また、比較的短期間での運用を見込んでおり、期間20坪程度であれば事業用定年期借地を用いることも可能だという。
更に簡単な朝食を出す以外はホテル側からは特にサービスを提供しない為、利用者への便宜上ファミリーレストランやコンビニエンスストアなどと同一敷地内での出店についても視野に入れているという。