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三菱電機ビルテクノサービス エスカレーター速度可変工事 高齢者なども利用しやすく
2000.10.02 15:37
昇降機大手の三菱電機ビルテクノサービス(千代田区)は業界で初めてとなる「エスカレーター速度可変工事」の販売を今月より開始させた。初年度で100台の受注を計画している。
鉄道駅や病院、デパートなどにおいてはエスカレーターの速度は毎分30メートルというのが一般的。しかし高齢者、幼児、妊婦、怪我人、身体障害者などにとっては速すぎることも多く転倒などの事故、渋滞などの原因となっていた。
それに加え諸施設のバリアフリー化が進む中で高齢者や幼児でも安全に利用出来るエスカレーターのニーズが高まっていた。
従来ではこうしたニーズについてはモーターの歯車を交替することで
エスカレーターの速度を遅くして対応していたが、元の速度に戻すには再度工事を行う必要があり、また利用状況に応じた速度の切換えが出来ないといった点で課題が残されていた。
それに対し同社では駆動モーターのインバーター専用品への取替えや既設制御盤の改造、速度切替えスイッチの追加工事を行う事で、スイッチひとつで超低速(毎分15メートル)、低速(毎分20メートル)、標準(毎分30メートル)の3段階の速度に切り替えることを可能にした。速度切り替えについては手動の他24時タイマーによる自動切替えのいずれかの選択が可能になっている。
また、工期については1台あたり1日と短く、デパートやスーパー等の商業施設においても業務に支障を来すことなく工事を行うことが可能になっているという。
同社では商品化に先立ち約900人を対象に低速エスカレーターの試乗モニター調査を実施した。
それによれば、走行中の速度については「丁度良い」が85%を占めた。また乗り降りについては35%の人が「乗りやすい」63%の人が「変わらない」と回答した。更に低速度エスカレーターの必要性については「必要である」が72%と多数を占め、具体的な設置要望場所としては駅、病院、スーパーマーケットが上位3位を占めた。