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大林組 省コスト性追求した空調スイングダンパー 動力不要メンテナンスフリー
2000.08.28 15:02
大林組(港区)は、従来型に比べ省エネ・ローコスト性を追及した新型の空調スイングタンパー吹出口を開発した。
このダンパーは空調機からの吹き出し気流角度を冷・暖房時それぞれに応じ無動力で自動的に変えることが出来るのが最大の特色となっている。
「従来のビル空調の主流であるダクト方式では気流角度の切り替えを行うには高いコスト、多大な手間が必要になることから、切り替え装置は殆どついていませんでした。それに、暖房時には天井付近に暖気が溜まったり床面を冷気が流れたり(コールドドラフト)などして空調率が悪化したり、快適な環境が損なわれたりしていました」(同社)
それに対し新型のダンパーは風圧により自動的に開閉するスイングタンパー(開閉板)を備えており、2つの気流角度の異なる吹出口のうち最適な角度に調整された吹出口の方へ空気の流れを導く仕組になっている。冷房時と暖房時で風量を変えることで吹出口を切り替えることが可能になるという原理だ。
更に電気時の動力を必要としないのでメンテナンスを必要とせず、また既存の空調設備に大がかりな工事を行うことなく取り付けることが可能などメリットも多い。
また、同ダンパーは2002年に行われるサッカーのワールドカップ開錠となっている神戸市の御崎公園スタジアム(仮称)の座席空調に採用され、約3万個の取り付けが決定している。
今後は空調メーカー等と提携し商品化へ向けての技術供与を行ってゆく考えだ。