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ソニー 広帯域な通信回線とともにアプリケーションサービスを提供
2000.06.26 16:16
ソニー(東京都品川区)が、7月1日より通信事業を本格的に展開する。大手不動産会社・ディベロッパーが所有・管理するビルの通信インフラの拡充を加速する中でグループで豊富なコンテンツを持つ同社がどのような展開を図るか興味深いところだ。同社は、FWAともWLLとも言われる加入者系無線アクセスによりユーザー企業に高速インターネット回線を低額で提供する。
ソニーは、FWAやWLLと呼ばれる加入者系無線アクセスシステムによる広帯域で高速の通信を可能とするインターネットサービス「bit-drive」(ビット・ドライブ)を7月より開始する。
加入者系無線アクセスは、従来の光ファイバー等の敷設、回線敷設をせずに無線を使用し、短期間、低コストで、高速インターネット回線を採用できるようにするというもの。
高速かつ大容量に双方向データ伝送が可能、端末側送受信機のコスト、基地局設置のコストが比較的安く、高品質のデータ通信サービスを安価に提供可能、基地局の設置が容易であり、イベントなどの臨時、期間限定設置にも柔軟に対応可能などといった特徴を持っている。
現在、大手不動産会社やデベロッパーが、通信キャリアの光ファイバーをビル内に直接引き込むなど通信インフラ整備に力を入れテナント企業の通信コスト削減などビルの付加価値向上を図っているが、中小ビルでは、このような動きは難しい面が多く、通信インフラを整備したくてもできないケースが多かったが、無線アクセスであれば、これらのビルでも採用できるケースが増加するものと見られる。
同社が7月1日より開始するサービスは、アクセス回線と最大1.5Mbpsのインターネット常時接続サービスを一体で提供する「ブロードウェイブ」、顧客の指定した相手先との通信を定額で利用できる「シティ・リンク」など。
同社は通信インフラとアプリケーションサービスの両面から、企業のネット関連事業を支援していく。
また、サービス提供エリアも順次拡大していく予定だ。