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国交省 訪日外国人の「動き」がわかるデータを公表
2017.10.16 14:03
2016年に訪日外国人数2000万人を超え、2020年4000万人を官民一致で目指す。そのなかで国土交通省は訪日外国人の国内移動データを公表した。今後、ホテルや商業施設などを展開していく開発事業者にとって大きな参照軸となりそうだ。
国土交通省は4日、訪日外国人の国内移動を分析できるFFデータ(Flow of Foreigners Data)を公表した。データは2015年と2016年の2カ年分で、観光地のプロモーションを行う際に連携すべき交通機関や公共団体など、行政・民間企業におけるインバウンド戦略の立案に役立つとしている。
データは都道府県間の流動量や移動の交通機関、周遊ルート、国籍や来訪目的、来訪回数、旅行手配方法といった訪日外国人属性などが含まれ、流動量と国籍など複数の条件を組み合わせた分析が可能。国土交通省では例として、隣接都道府県から流入する外国人の利用交通機関の国籍別分析や、入国空港から出国空港にいたる間の訪問地分析などを挙げている。
例えば2016年、最も外国人の移動が多かったのは千葉県から東京都で、年間約1032万人。次が京都府から大阪府に移動した626万人、3位が東京都から神奈川県の190万人などとなっている。
一方、広島県を例とした交通機関の分析では、広島・岡山間の移動には68・4%が鉄道を利用しているのに対して、広島・島根間の移動で最も多いのはレンタカー利用の43・1%で、鉄道利用は26・5%にとどまっていることがわかる。