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今年1~8月競売物件動向  開示物件減少も入札は急増 日本インターフェイス調べ

1999.09.21 13:37

 不動産競売情報誌を発行する日本インターフェイス(東京都墨田区)は、今年1月から8月までの1都3県の競売物件動向をまとめた。
 4都県の開示物件数は1万7402件と昨年に比べ4.6%と減少。神奈川県こそ4164件と前年比5.6%増加したが他3都県については減少した。
 これについて同社側では「前年度が多すぎた為の反動ではないか『不良債権処理がひと段落し物件が激減する』という一部の見方はまだ時期尚早」と分析している。
 一方入札本数は急増。中でも千葉県は前年対比178%の5511本となった。これは東京湾横断道路の開通により横浜、川崎地区の業者が入札に参加したことが一因とみられる。
 神奈川県も同様に好況だ。入札本数は8161本(117%増)、落札数も210件(54.7%増)となっている。こちらも都内など他地区の業者の流入が盛んなのが一因の様だ。ただその一方で地元業者からは「共創の激化で狙った物件を落とすことが難しくなった」との声も。
 東京都は物件数前年比8.1%減の7085件と昨年までの異常過熱と呼べる状況も小休止といったところ。この要因としては「期間入札にかかる前に任意売価で処理されるケースが増えた」という声もあるが、「裁判所で物件評価に携る評価人の数が足りず処理能力がパンクしたから」と判断する向きも。
 埼玉県も入札6915本(5308%増)落札693件(15.4%増)と好調。特に落札率56.0%は首都圏中最高の数値だ。他都圏に比べ土地付建物の比率が高いのが人気を集めている様だ。
 「落札数が高まっているのはマスコミなどの報道で不動産競売が取り上げられる機会が増え、全体的なイメージアップにつながったことに起因する」と同社では分析するが、その一方で情報開示の不十分な点など未だ一般人が独力で参加するのには不動産競売はリスクが多いのも事実。こうした点について市場整備を進め「今後参加してくる層の為のルール作りを進めることが急務」と同社は提言している。

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