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不況時代の生き残り策を伝授 東京ガスセミナー 飛入りも加わる大盛況
1999.04.21 14:03
東京ガス中央事業本部主催(本紙後援)の「第1回ビルオーナーセミナー」が3月30日東京都目黒区の目黒雅叙園華しらべで開催された。テナントの退出など中小ビルオーナーにとって厳しい状況は依然続いているなか、参加者達は熱心に耳を傾け、メモをとる姿が見られた。
当日の参加者は定員を上回る28名。当日の飛び入り参加も見られる程の盛況ぶり。
講師を務めたのは老舗ビル仲介会社ディックエンタープライズ専務取締役の増田富夫氏。
増田氏は、「現在23区内で1000坪以上の入居が可能なビルは約70棟と一昨年に比べて40%増加した」
「3月末の決算状況を見て、4~6月あたりに大企業の移転が増加する可能性がある」
「銀行をはじめ各金融機関が不良債権の担保不動産をより収益力を高めて売却する為に、今後2年程の間にビルを建設する動きを強めており2001年頃にはかつてない大量供給の時代を迎える」
と現在のビル市況の厳しさについて述べる一方、テナント誘致策として「テナント企業がビルの内見に来るということは既にテナントの気持ちが大分そのビルに傾いている証拠。エレベーターや空調、水道等は前もって稼働させ、内見当日にテナントビルの管理体制がしっかりしているという印象を持たせることが大切」
と語り、空室時におけるメンテナンスや管理体制の良し悪しがテナント企業に与えるイメージを大きく左右すると示唆した。
一方参加者からは、「契約更新料を取ることは可能なのか」
「すぐ近くで大規模再開発が予定されており、超高層ビルが計画されている。こうした状況に対し我々中小ビルオーナーはどの様な対策をとるべきか」
といった質問が飛び出し予定時間を超えて熱心な質疑応答が続けられた。