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三菱地所 マンション分譲事業で匿名組合 リース会社等が計44億円を出資
1999.03.01 11:54
三菱地所(東京都千代田区・福沢武社長)は来年3月神奈川県川崎市に完成予定のマンションの分譲事業において不動産特定共同事業(匿名組合方式)の実施を発表、先日匿名組合契約を締結した。
今回の事業は東京三菱銀行グループのダイヤモンドリースと同じく東京三菱銀行系の不動産賃貸会社丸の内よろずの両社がそれぞれ34億円、10億円を出資、三菱地所はこれを総事業予定費の一部として受け入れる代わりに、出資比率に応じてマンション販売の際の収益を両社に対して配分、また出資者は場所に対しフィー(営業者報酬)を支払う形式をとる。
今回投資対象となるのは川崎市麻生台に建設予定の10階建てマンション「新百合ヶ丘パークハウス3番街」
延床面積は約6000坪で総戸数は1762戸。LDK~5LDKが主流のファミリー向けで中心価格帯は5000万円台になる予定だ。
今月より販売を開始するが小田急新百合ヶ丘から徒歩6分という利便性から引き合いも多く1月30日にプレオープンしたモデルルームには約1200組が来場するなどといった点から竣工、引渡しまで1年という短期間にもかかわらず、高い運用効率が期待できると三菱地所はみている。
三菱地所の手がける不動産特定共同事業としては昨年9月に行われた港区東新橋のマンションの例があるが、前回は東京海上火災保険が出資者であったのに対し、今回はリース会社という不動産特定共同事業としてはこれまでにない新しいタイプの投資家と事業スキームを組んだことで、投資家の裾野を広げることにつながったのが特色といえそうだ。