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東京ガスが中央ビルに新提案 一般家庭から小規模物件まで対応するGHP

1999.01.21 14:41

 ガス冷房は水を冷媒とし、気化熱を利用する「吸引式」と気化冷媒をガスエンジンにより圧縮し冷房する「GHP方式」の2つが主流。特にGHPは中小ビルへの普及が拡大しており注目されている。
ガス空調3.8倍増
 空調を主体とする分野におけるガス販売量がここ10年間で高い伸びを記録している。例えば東京ガス管内においては10年で空調分野のガス販売量は3.8倍も増加した。
 この背景には、空調用ガス料金でランニングコストを削減できるメリットがある。
 例えば、800平米のオフィスビルにガス冷房を導入した場合、契約電力が低減できる。
 電気冷房が高圧受電(6KV)に対し、ガス冷房は低圧受電(200V)の基本料金が適用される。
 また、ガス冷房は主エネルギーがガスであり、電気容量や設備費が低減されることから、受変電設備や電気室スペースを縮小でき、建築コストなどからイニシャルコストも抑えられる。
 更に、割安な空調ガス料金の制度も用意されており、ランニングコストは電気と比べると経済的である。OA化が進んで、電気代が気になるビルなどでは、余剰電力をOA用として利用できるという訳である。
 その他、税制優遇により設備費も抑えられることや、省スペース、使い勝手の良さなどの優れた特徴がユーザーの高い評価を得ている。

ローコスト化推進
 東京ガス管内のGHP(ガスヒーポン)の累計販売台数は6万7031台となっている。平成9年度実績が7011台になるなど毎年コンスタントに7000台程度の伸びを記録している。
 ガスヒーポンは1台で同時に20室までの部屋においてそれぞれ異なる温度や風量設定ができるマルチ機能など70平米程度の一般家庭から1万平米程度のオフィスビルまで幅広く対応できる汎用性を持っているのが 特徴。
 また冷房・暖房の立ち上がりも早く、温度変化の少ない安定的な稼働効率を保つことがガス空調の大きなメリットだ。
 東京ガスではガスヒーポンのメンテナンスを直接行い、その結果を開発企業にフィードバックし、機器の小型化やローコスト化を推進しているという。
 技術革新が急ピッチで進み、現在では2~3年に1度のメンテで済む程のエンジン性能も実現したという。
 東京ガスのユーザー満足度調査でも冷房・暖房の立ち上がりの早さ、快適な空間管理、ランニングコストの安さ、さらにはメンテナンスの確かさに高い評価を得ているという。

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