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「Ginza Sony Park」竣工 ソニービル建替えプロジェクトが完了

2024.08.26 11:59

 銀座のシンボル「ソニービル」を建替える「Ginza Sony Park プロジェクト(銀座ソニーパークプロジェクト)」は8月15日、建替えプロジェクトの最終形として、「Ginza Sony Park」を竣工した。
 東京・銀座の数寄屋橋交差点角で1966年に建築され、長年にわたり銀座を代表するシンボルの1つとして親しまれてきた「ソニービル」。旧建物は2017年3月に閉館。運営するソニー企業(東京都中央区)は「ソニービル」のリニューアルプロジェクトとして「Ginza Sony Parkプロジェクト」を立ち上げ、「建替えプロセスもソニーらしくユニークに行いたい」との思いから、建物の解体途中を公園にするという新しい発想で、2018年に「Ginza Sony Park」を開園。年間を通して様々なイベントやライブなどのプログラムを実施し、2021年9月の閉園までの3年間で854万人もの来場者数を記録した。
 そして今回、プロジェクトの最終形として新しい「Ginza Sony Park」が今月15日に竣工した。同施設では、旧「ソニービル」の角地で人々に親しまれた10坪のパブリックスペース「銀座の庭」を継承・拡張させた「銀座の公園」として運営。建物のグランドオープンは2025年1月を予定している。
 新しい「Ginza Sony Park」は地上5階地下4階建て、SRC造で、銀座の標準的な建物の半分ほどの高さにあえて低く構えることで、集積率の高い都会の中に余白と新しい景観を生み出している。また、これまで「ソニービル」が大切にしてきた「街に開かれた施設」という設計思想と、「ジャンクション建築」、「縦のプロムナード」といったユニークな建築的な要素は「Ginza Sony Park」にも継承されている。
 「Ginza Sony Park」は地上の三方が道路に面し、地下は地下鉄コンコースと地域最大級の地下駐車場に直結している。地上では数寄屋橋交差点からの動線を開放的な吹き抜け空間で受け入れ、地下動線も内と外を区切る扉や壁をなるべく設けずにシームレスにつなぐことで、銀座の街を訪れる人々が気軽に行き交うことのできる空間を実現している。地下鉄コンコース接続部にはかつての「ソニービル」の躯体の一部を残し、進化と同時に積層された建物の歴史を見ることができる。
 「Ginza Sony Parkプロジェクト」の主宰で、ソニー企業の永野大輔社長は、以下のようにコメントしている。
 「今から11年前の2013年に『ソニービル』の建替えを目的にプロジェクトの構想がスタートしました。初期段階では公園をつくる計画はありませんでしたが、ソニーらしく大胆でユニークに、銀座の街に新しいリズムを、そして、人々が気分によってさまざまな過ごし方ができるように、という3つのテーマを掲げ、創業者の想いを丹念に紐解いていきました。未来に向けてソニーの個性を形にするにはどうすればよいかを考え続け、導き出した答えが『Ginza Sony Park』でした。このたび無事に竣工を迎え、公園のプラットフォームが完成しました。今はまだ何もない余白の空間ですが、グランドオープンしたあと、この余白は、ソニーだけではなく、訪れた人の使い方やアクティビティによって彩られ、この場の楽しみ方も変わり続けていきます。新しい『Ginza Sony Park』の今後に、ぜひご期待ください」




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