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不二サッシ アルミ建材向けの新塗料を発売 日本油脂と共同で開発 親水性高く油性汚れの付着を防止

1998.10.01 11:06

 不二サッシ(神奈川県川崎市・森田茂社長)と日本油脂(東京都渋谷区・宇野允恭社長)は、汚れのつきにくいアルミ建材向けのセラミック系塗料「アルグラーゼ」を共同開発した。
 不二サッシでは、サッシ、外装用パネル、カーテンウォール等ビル建材の主力製品を対象に10月より新塗料を使った製品を投入する予定だ。
 このアルグラーゼは従来の塗料に比べて親水性が高いのが特徴で、塗装面に付着した水が薄く広がるので砂や泥よいっや汚れが付着しても雨水で流されやすくなる。
 その一方で油とは反発し合うので、自動車の排気ガスや工場からの排煙といった油性の汚れは付着しにくいという。
 塗装コストは従来のフッソ塗装とほぼ同様の1平方メートル当たり4000円から6000円程度とのことだが、塗装後のビル外装清掃の必要が殆どなくなる為にランニングコストが大幅に削減出来るのが強みだ。
 また、これまでは汚れが目立つ為に薄い淡色系統の着色は敬遠される傾向があったが、この塗料の開発により商品のラインナップの増加、商品力の強化につながり、都市景観の面からも効果は大きいと不二サッシでは見ている。
 現在同社が受注するビル建材事業のうち着色を伴う工事は約二割程度とのことで、今後順次新塗装の製品に切り替えていく予定だという。
 また、今後は無色の塗料を使った防汚加工にも用途を拡大してゆき、一般住宅のキッチン流し台への応用等も予定してゆくとのこと。
 同社の主力であるビル建材事業はここ数年売り上げが低迷を続けており、この商品の導入で事業の立て直しを一気に図る考えだ。




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