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全日空 米国でのホテル事業より撤退を表明 海外のホテル2棟を現地企業に売却

1998.09.21 11:37

 全日空(東京都千代田区・野村吉三郎社長)は9月23日、米国に所有する2棟のホテルを現地の不動産会社ロウ・エンタプライゼズ(カリフォルニア州ロサンゼルス)に売却することを明らかにした。
 売却金額は合計約2億7000万ドル(約364億円)の見込みで29日にはロウ・エンタプライゼズ側に所有権を移転の予定。売却に伴う諸経費やこれまでの投資額を差し引いた売却益は約50億円の見込みだという。
 今回売却されるのは「ANAホテルワシントンDC」と「ANAホテルサンフランシスコ」の2棟で、共に全日空が米国路線に進出を果たした1988年から89年にかけて現地物件を買収したもの。現在は全日空のグループ会社であるANAエンタープライズUSAが運営を担当している。
 今回の売却で全日空は運営からも手を引き、ホテル名もそれぞれ「ザ・ワシントン・モナーチホテル」「ザ・アージョンホテルサンフランシスコ」に変更となる。
 現在全日空系の海外ホテルは全部で14棟あるが、うち米国の2棟、及びオーストラリア(シドニー)とオーストリア(ウィーン)の4棟が全日空の所有。今回の米国2棟の売却により、全日空は米国本土のホテル事業から撤退をすることになる。
 その背景には航空各社の競争が激化する中で、海外進出後発組の全日空にとっては国際的競争力を強化する為の関連事業の大幅な見直しと、さらなる再建策が必要になっていることがあげられる。
 他のホテルの売却予定は今後暫くは無いとのことだが、中長期的なビジョンによれば、残りの海外ホテルを売却し、今後は運営主体に切り替えていく可能性もあるとのこと。




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