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PCG 大型ビルの建設計画を発表 旧国鉄用地にJR東日本と一体開発
1998.08.01 14:36
香港の金融・不動産投資会社パシフィックセンチュリーグループ(PCG)の日本法人は、昨年3月に落札した東京駅八重洲口南地区の旧国鉄用地における開発計画を発表した。
同社が落札した6382平米(1930坪)の敷地と東日本旅客鉄道(JR東日本)が所有する隣接地1528平米(462坪)の共同での一体開発で、賃貸用オフィスフロアと商業スペースを有するタワービル「パシフィックセンチュリープレイス」を建設する。
ビルの規模は地上31階建て、鉄骨鉄筋コンクリート構造で阪神淡路大震災後の耐震基準に対応している。高さ約145メーター、総建設延床面積が8万1000平米で、その内オフィス面積は5万7000平米となる。
PCGの日本法人とJR東日本は今年2月に共同開発に合意した。建設にかかる総事業費用は1300億円。設計は日建設計と竹中工務店の共同企業体(JV)が行い、今後東京都など関係機関との協議を進めた上で、1999年春に着工、2001年の秋に完成の予定。
ビルの特長として地上から最上階までの外装をガラス張りにし、内部から東京国際フォーラム、銀座、東京湾エリアを臨むことができる。
建設に当たっての資金の調達は、昨年9月にPCG日本法人は日本開発銀行と土地取得費の40%にあたる347億円の25年融資契約を締結しており、この金利は年2.5%に固定されている。
PCG日本法人が昨年3月に八重洲南地区を落札した際の金額は868億8000万円で、事前の予想を大幅に越える高値落札で注目を浴びた。
PCGは香港を本拠地とし、リチャード・リー会長と同社の上級役員が所有する未公開企業。主要事業はデジタルメディア開発、金融サービス、インフラ開発、及び不動産など。中国、シンガポール、インド、日本といった重要拠点における様々なプロジェクトへの事業展開をしている。