週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

ボルテックスが賃貸住宅リノベ事業 リノベると共同で1975年竣工の賃貸マンションを一棟改修

2024.10.21 11:57

 ボルテックス(東京都千代田区)は、リノベる(東京都港区)と協業し、ボルテックス初のリノベーション賃貸レジデンス「VORT深沢residence」を開発すると発表した。竣工は2025年3月を予定している。
 立地は東京都世田谷区深沢。東急大井町線「等々力」駅から徒歩18分、東急田園都市線「桜新町」駅から徒歩20分の場所に位置する。
 「VORT深沢residence」の前身は、1975年に建てられた賃貸マンション「ストークマンション深沢」。
 建物は敷地面積302・78㎡、延床面積1071・19㎡、RC造、地上6階地下1階建てで、旧耐震基準・無断熱。
 今回のリノベーションでは耐震改修を実施し、第三者機関より新耐震基準の構造評定を取得する予定。また、接道面の壁への断熱追加やサッシ交換(主要箇所はLow-Eガラスを採用)を実施。さらに、エントランスをはじめとした共用部のバリューアップも行う。
 オートロックや宅配ボックス、自転車置き場などの共同住宅の基本仕様を確保するとともに、ペットの足洗い場や電動キックボード置場を新設、エントランスアプローチとなる外構デザインを刷新する。
 間取りは、フルハイトの可働間仕切でワンルームとしても使える1LDKを中心に、最上階は一部スラブを解体し、下階とつなげることでルーフバルコニー付きメゾネット住戸を計画。また、収納計画や家電・家具の配置などを考慮、内装デザインは、ナチュラルで温かみのあるテイストとし、ペット対応の床材や壁紙を採用するとともに、リビングはビニル床タイルとすることでインテリアのアクセントとした。
 開発にあたっては、ファンズ(東京都渋谷区)が運営する手数料無料で1円から貸付投資ができる貸付ファンドのオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」を通じて、事業資金を調達した。5億円を募集したが、募集開始初日に満額到達となったという。
 ボルテックスは主軸とするオフィスビル以外の物件の利活用を想定して2023年9月にリノベるに出資していたが、今回が協業第1弾となった。バリューアップ・リノベーションによる長寿命化や、クラウドファンディングによる資金調達などを通して、築古アセットやリノベーションの価値・可能性を発信し、「資産が健全に循環する社会の実現」、建物を永く大切に使う「循環型社会の実現」を目指すとしている。




週刊不動産経営編集部  YouTube