週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
東京流通センター/イーソーコグループ 「物流ビルA棟」内覧会を共催 汎用性やソリューションを紹介
2024.10.28 11:17
三菱地所グループの東京流通センター(東京都大田区、TRC)とイーソーコグループ(東京都港区)は9月27日、TRCが開発した「物流ビルA棟」の共催内覧会を行った。
「物流ビルA棟」は、昨年8月に竣工した地上7階建ての免震構造によるマルチテナント型物流施設。1971年9月に竣工した「物流ビルA棟」の建替えプロジェクトで誕生し、昨今の社会環境変化・物流ニーズ多様化に対応する価値創造拠点として生まれ変わった。延床面積は約20万2000㎡(約6万1000坪)。貸付面積は約15万5000㎡(約4万6888坪)。東京モノレール「流通センター」駅から徒歩1分に位置し、首都高速羽田線「平和島」出入口から約1km。また首都高速湾岸線「大井南」出入口から3kmと、物流施設としては駅近で通勤しやすく、都心エリアへの配送拠点として優れている。区画は最小476・40(約144坪)~1フロア約2万6500㎡(約8030坪)。同エリア最小クラスの倉庫区画を備えつつ、事業ステージに合わせて柔軟に拡張等へ対応可能。1階は冷凍冷蔵優先区画フロアで、2~3階は小規模区画。4~6階はレイアウトの自由度が高い大規模区画フロアである。
入居テナントの働きやすさ・快適性も意識している。倉庫の四隅にコアエリアを設け、かつオフィスと共用部も配置。1~3階は小区画エリアのため、東西壁面に屋外歩廊をつくり、歩行者と車両動線を分離させた。車両は倉庫エリアの中央を走行する。動線を分離させることで、歩行者は安全かつ快適に各専有部内へアクセス可能。就業者のリフレッシュも兼ねた広めの休憩室を1階の南と北の各エントランス周辺に配備。終日施設内で勤務する就業者の需要も加味し、コンビニやコインシャワーなども設けた。
内覧会では冒頭にTRCの上村営業部長が今回の共催について説明し、続けてイーソーコ総合研究所代表取締役の出村亜希子氏がTRCの歴史も踏まえながら、物流業界・物流ビジネスの近況について述べた。出村氏は「近年、郊外の大型施設から都市部へと物流ニーズが移ってきました。それも従来までの単に物を預ける施設ではなく、人が集まる・快適に働く環境も備えた『物流不動産』へシフトしているように感じます。TRC様の『物流ビルA棟』は周辺の施設も含め、労働環境の良さやBCP対策の充実などが見られます。今後重要となってくる汎用性やリノベーション等の『改修のしやすさ』なども魅力でしょう」と語った。
倉庫(物流不動産)は一般的なオフィスビルに比べ空間が大きく、リノベーションの自由度も高い。賃料も割安で、企業によってはオフィスビルよりも自社オフィスに適しているケースがある。これら話題も伝えながら、関連するソリューションの展示も行った。ちなみに「物流ビルA棟」のリーシングも良好で、満室稼働も近づいている。