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木造ハイブリッド構造の賃貸オフィスビル「(仮称)京橋第一生命ビルディング」 25年6月の竣工へ向けまもなく上棟

2024.10.28 11:53

 清水建設(東京都中央区)は、東京都中央区で開発を進めている木造ハイブリッド構造の賃貸オフィスビル「(仮称)京橋第一生命ビルディング」が、近く上棟すると発表した。竣工は、2025年6月末を予定している。

 「(仮称)京橋第一生命ビルディング」は同名称のビルを建替えるもので、事業主は第一生命保険(東京都千代田区)。開発地は東京都中央区京橋に立地し、日本橋と銀座をつなぐ中央通りと鍛冶橋通りの交差点角に位置する。
 同ビルは、敷地面積1332・24㎡、延床面積約1万6145・27㎡、木造ハイブリッド構造(木造+鉄骨造)地上12階地下2階建て塔屋1階の賃貸オフィスビル。
 5階の一部から12階までのオフィスフロアは、基準階貸室面積約845㎡、最大2分割が可能。基準階天井高は梁下で約2800mm、OAフロアは150mmを確保。
 地下1階~地上2階は飲食店舗、1階(一部)と3階は物販店舗、4階と5階の一部は展示場を想定している。
 計画では、同社が展開する中高層建築物の木造・木質化技術「シミズ ハイウッド」の新技術を導入し、木の温もりを感じられる快適なオフィス空間を実現する。
 「シミズ ハイウッド」は、木材と鉄骨、コンクリートを適材適所に組み合わせて耐震性、耐火性、施工性、デザイン性、経済性に優れた木造・木質建築を実現する木造ハイブリッド技術。今回の計画には、新たに開発した3つのシリーズ技術、「ハイウッドビーム 2時間耐火仕様」「ハイウッドウォール」「ハイウッドスラブ・サポートレス工法」を適用し、梁や天井面を木質化した40×17mの木質無柱空間を施設利用者に提供する。
 「ハイウッドビーム2時間耐火仕様」は、木質ながら中高層建築物にも適用可能な2時間耐火仕様の部材。同ビルでは、17mスパンの大梁に適用する。
 「ハイウッドウォール」は、CLTと鋼材ブレースを組み合わせた耐震壁部材。耐火被覆を施す必要がなく、木材を現しとした温かみのある空間の創出に寄与する。
 「ハイウッドスラブ・サポートレス工法」は、CLTを型枠兼化粧材として活用し、鉄筋コンクリート(RC)造のスラブを構築する技術。
 今回の計画は、社会への波及・普及効果が期待できる木造建築物として評価され、国土交通省の「令和4年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されている。清水建設は、引き続き「シミズ ハイウッド」シリーズの技術拡張に取り組み、人と環境にやさしい木造・木質建築を多様な規模・用途の建物に展開していく考えだ。




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