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森トラスト 長崎の歴史的建造物をホテルに
2017.08.14 12:56
森トラスト(東京都港区)は、長崎県長崎市南山手町に立地する歴史的建造物、通称「マリア園」を先月21日付けで取得したと発表した。建物を活用したホテルの開業を目指す。森トラストグループが九州で事業を展開するのは初となる。
同物件は長崎港を望む高台に位置し、旧外国人居留地の異国情緒あふれる街並みがひろがる南山手地区に立地。建物は1898年に建設され、近隣の国宝「大浦天主堂」、重要文化財「旧グラバー住宅」などとともに重要伝統的建造物群保存地区の伝統的建物に選定されている。
設計はフランス人修道士セネンツで、ロマネスク様式の装飾が施された赤レンガ造り。日本におけるイエズス会の修道院として使用され、長崎におけるキリスト教の歴史において重要な役割を担ってきた建物だ。アーチ型の窓や白い鎧戸、高さ10mの「こうもり天井」とステンドグラスに囲まれた聖堂などの美しい建築様式で、南山手地区を代表する建物の一つとされている。
森トラストグループはホテル&リゾート事業において、歴史的資源や文化財の保存・活用を通じたインターナショナルラグジュアリーホテルの開業を積極的に推進しており、同物件の取得もその一環。日本の観光先進国化、地方創生に寄与したいとしている。