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ビーロット ホテル事業を強化
2017.08.14 13:08
銀座で9月1日開業、山手線沿線・地方都市で開発つづける
ビーロット(東京都港区)は9月1日より事業主として「IMANO TOKYO GINZA HOSTEL」をオープンさせる。「IMANO TOKYO」シリーズは2015年11月にオープンした「IMANO TOKYO SHINJUKU HOSTEL」に続き2棟目。建物は地上10階建てで部屋数30部屋、ベッド数は120。引き続き設計はコプラス(東京都渋谷区)、オペレーションはABアコモ(東京都千代田区)。コンセプトは「ホスピタリティーを重視し、友人の家に遊びに来たような、居心地のよいホステル」となっている。
今回の「IMANO TOKYO GINZA HOSTEL」ではドミトリー型の4人部屋、6人部屋に加えて、和室タイプの2人用個室を3~8階に設けており、8、10階は女性専用フロアとなっている。この狙いについて不動産コンサルティング本部課長の田代靖明氏は「宿泊のバリエーションに対応していくため」と言い、次のように続ける。
「主な宿泊ターゲットとなる訪日観光客は1人で来るバックパッカーもグループで来られる方も様々です。ベッド売りはもちろんのこと、2人個室に加え、4人部屋、6人部屋も1つのグループに部屋貸しで対応することが可能となります。また、2人個室内にはシャワー、トイレが備わっているため、プライベート性の高い空間を保ちます。グレードに応じたバリエーションを取りそろえていくことで、今後多様化してくることが予想される外国人観光客のそれぞれの需要に対応し、同エリア内の他ホステルと差別化を図りたいと考えています」
同ホテル2階はラウンジとなっていて、宿泊者同士の交流も可能となっている。加えて、ラウンジで「観光情報等の提供をはじめ、大型スクリーンを活用したイベントなどを実施していきたい」(田代氏)という。
ビーロットでは現在、訪日観光客が増加するなかでホテルの商品化を強化している。JR山手線沿線では、今年3月にオープンした「ナインアワーズ北新宿」に加え、今年1月には五反田と恵比寿にカプセルホテルを保有するヴィエント・クリエーション(東京都渋谷区)を子会社化。同社がこれまで運営してきた「セントラルイン五反田」および「ホテルシエスタ」については、今後リニューアルを行い、新装オープンを予定する。JR山手線主要駅から徒歩3分以内に3つの宿泊施設を手掛けていることについて管理部の永山ルリ氏は「当社は事業主として、都内では山手線沿線や都心部を中心に不動産の取得拡大を図っている。一方で、東京以外のエリアにも積極的に商品化を進めており、今秋に京都・五条でホステル、来春には北海道・小樽、沖縄・那覇でホテルの竣工を予定している」と明かす。
観光立国を政府主導で推し進めているが、宿泊施設不足は政策を推進していく上でネックとなっている。
「当社は、既存のものを活かし新しいトレンドを創る、上場ベンチャー企業です。事業を通じて、地方活性化や雇用創出に努め、社会への貢献をしていきたいと考えています」(永山氏)
不動産業界のビジネスモデルは引き続き進化を続けそうだ。