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フロンティアコンサルティング 「ビルディングソリューションコンサルティング」強化開始 HP作成しリニューアル事例の掲載数増やしていく

2024.12.02 11:42

 フロンティアコンサルティング(東京都千代田区)は、「働く人目線」のビル再生で本質的な不動産価値最大化を図るプログラム「ビルディングソリューションコンサルティング」を進めてきた。今後は同サービスの強化を積極的に図っていく。
 同社は主にワークプレイス構築、ビル資産価値の再構築、サードプレイス構築などを手掛けるコンサルティング会社で、社内にオフィス仲介部門も抱えている。企業の単なる移転業務をサポートするだけでなく、働きやすさやオフィス環境の整備も踏まえたトータルサポートを得意としている。またビルオーナーに対しては、既存ビルにおける「差別化」のためのアプローチ等も提案してきた。8つのソリューションを活用しながら、現状ビル経営に課題を抱えているオーナーやリーシング業務が上手く進まないPM会社等へ提案してきた。
 昨今注目を集めているのが、ビルディングソリューションコンサルティング。「ビル資産価値が高くなる条件=満床状態×高賃料」を実現かつ維持するため、オーナー等に機能性・デザインと社会的評価を高める2つのアプローチを実践している。機能性・デザインを高めるアプローチでは、専門リサーチチームによるマーケット調査やワークトレンド調査を実施し、オリジナルデータベースも活用。これら調査から顕在化した需要動向を土台にリニューアルの企画/デザインを設計する。同調査結果は単なるオフィスマーケットの調査結果だけではなく、不動産市場におけるオフィスビルに求められる需要動向をしっかりと露わにしたものを使用する。
 また社会的評価を高めるアプローチは、ここ数年でニーズが高まっている環境認証制度に着目。算出した見込み評価結果を参考にしつつ認証ランクの向上に繋がる環境認証取得を視野に入れて、最適な計画を戦略的かつ総合的に提案する。環境認証制度の取得確度を高めるとともに、ビルの社会的評価を高めることで、将来的なESG投資も見据えた収益の最大化を図る。
 執行役員 BSC事業部 事業部長の菅原翔太氏は同事業の強化について次のように語った。「従来までのオフィス仲介業者と設計事務所はリーシングとともに、デザイン性や価格等で選定されてきました。ですがコロナ禍以降は、空室改善も含めた資産価値の向上や新規および継続賃料の値上げに貢献できるコンサルのような企業が選ばれています。当社もビルオーナーやAM会社などに選ばれるため、『ビルディングソリューションコンサルティング』の普及や認知度向上も視野に入れたHPを作りました。HPでは単なるリニューアルのビフォーアフターを見せるのではなく、リニューアルの開始から完成までの過程を見せることで、視聴者にはドラマ性を感じてもらい、自身の物件にも当てはめて想像できる工夫を施しました」
 従来オフィスビルは立地や築年数によって、物件の資産価値や成約賃料などが決められる傾向にあった。だが近年では前述の評価基準のもと、積極的に新築工事や建替えが行われている。既存ビルでは環境負荷低減などの課題を抱えたまま、新たなビル再生の必要性にも直面している。これら課題に対して同社はワークプレイス構築に特化した、またコンサルティングで培った知見等も有している。リニューアルの設計からリーシングまで一貫して請け負うことができ、同時にビルの長期的・本質的な不動産価値最大化にも繋げることが可能だ。
 菅原氏は「CASBEEなどの環境認証制度の取得も資産価値最大化に繋げる手法の1つです。既存ビルではまだまだ最大化できる部分や箇所を当社が見つけ提案し、お手伝いできればと思います」と述べた。今後はHPに掲載する事例を増やしながら、同プログラムを広めていく。




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