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<噂のスクランブル>末野興産ビル、CIで起死回生なるか 入居率アップ狙いイメージチェンジ

1998.06.21 14:08

 借金まみれの住専ビルには借り手も付かず―。
 旧住宅金融専門会社融資先の”西の横綱”末野興産が、賃貸ビルや駐車場の入居率アップを狙って、会社の通称名称の変更を図る意向だという。
 末野興産は前社長が逮捕され、目下、会社更生法の手続き中。管財人団が賃貸物件の運営管理にあたっているが、バブルまみれの印象が強い末野興産という社名や、同社が大阪市内に展開する賃貸ビル「天祥ビル」のブランド名のままでは、テナントが敬遠し集客に支障が出ていることから、別ブランド名でイメージチェンジを図ろうというもの。
 あくまで通称名称の変更で正式名称はそのままだが、いわば不良債権ビルのCI(コーポレート・アイデンティティ)導入といったところか。
 管財人事務所では、この新名称を公募して決定し、9月1日から全部で140ヶ所もの賃貸ビル、駐車場について、文字通り看板の掛け替えを進めていく。
 また、これを期に老朽物件のリフォームを進める一方、物件の売却も進めていく方針。
 通称名称を変えてもテナントが実際に入居するときには末野興産ビルだということは、当然わかる。「それでも対外的に明らかに末野興産の物件だとわからなくなれば、テナント心理として抵抗は少なくなるはず」と地元業者は一定の効果はあると見る。
 同社ほど大規模でなくとも、ビル名(社名)がマイナスイメージを持たれてしまっている物件は他にもある。
 今回の名称変更が上手くいった暁には、ビル業界ではちょっとしたCブームが起こるかも知れない!?




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