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スタジオ・クハラ・ヤギ/住友林業 木造と鉄骨造「いいとこどり」木造ハイブリッドビル完成
2017.08.07 13:54
東京に新たな木質ハイブリッドビルが誕生した。天然エッセンシャルオイルを販売するフレーバーライフ社(東京都国分寺)は先月27日に「国分寺フレーバーライフ社本社ビル」の完成見学会を行った。
同ビルは既存の木質ハイブリッド造の技術を用いつつも大幅に改良しコストの適正化を図り部材製作や施工の簡略化、運搬コストの改善を行った新機軸のビルとなっている。木質ハイブリッド造とは鉄骨に耐火被覆材として木材を使用した木質ハイブリッド集成材を使った新しい構造。同ビルでは1階~3階を鉄骨造、4階~7階では1時間耐火性能を有した鉄骨内蔵型の木質ハイブリッド造となっている。
同社代表取締役の興津秀憲氏は「国分寺に多摩産材を使ったビルを建てたいという想いが実り、本社ビルを建てることができました。長く大事に使っていき、この建物をきっかけにもっと多くの木のビルができればうれしいです」と喜びの声をあげた。
設計を担当したスタジオ・クハラ・ヤギ(東京都千代田区)代表取締役の八木敦司氏は「これからの建築には明確なコンセプトももちろんですが建物をどうしたいかという『意思が大切』です。今回の物件は普及型モデルとなっています。これを機により一層、都市型木造建築を増やしていきたいです」と語る。
そして施工を担当した住友林業(東京都千代田区)木化営業部副部長の佐野惣吉氏は「オーナーのこだわりのある物件となりました。これを良い契機として当社でも木質化の新しい用途開発を目指し2棟、3棟と都市部における木質ビルの建築を行っていきたいです」と述べた。
建物概要として地上7階建てで延床面積は606・31㎡。1階部分は同社の販売ショップとして活用。2階より上をオフィスフロアとして活用する予定。フリーアドレスを採用し先進的なオフィス空間を創っていく。また最上階にあたる7階はフリースペースとして多目的に活用するフロアを予定している。