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<不動産業界ホットスポット>アースウィンド シェアオフィス事業に参入・中央区入船に1号店オープン

2017.07.03 17:10

 東京・銀座を基盤とし、事業用不動産の賃貸・売買仲介・プロパティマネジメントなど幅広い不動産サービスを手掛けるアースウィンド(東京都中央区)。同社は先月26日に都内で最多となる9店舗目の営業所として東京メトロ銀座線「京橋」駅近くに「京橋店」をオープンしプロパティマネジメント業務の充実化を図るとともに、店舗ネットワークの拡充に努め、顧客に対してきめ細かいサービス提供を目指している。
 「新規事業にも積極的に取り組んでいる」と話すのは、アースウィンドの河野社長である。同社が新たなビジネス領域として着目したのが、京橋店で行うシェアオフィス事業だ。
 今月1日、中央区入船にオープンした「GROW IRIFUNE」は同社が立ち上げたシェアオフィスブランド「GROW OFFICE」の第1号店である。施設は東京メトロ有楽町線「新富町」駅より徒歩4分、同日比谷線「八丁堀」駅より徒歩7分に位置し、個室のブースエリアやミーティングスペース・コワーキングスペースといった会員専用の共有スペースなどで構成される。施設運営担当である同社の京橋店の小出係長によれば、施設名の「GROW」は成長を意味し、施設を利用した企業をバックアップしたいという思いが込められているそうだ。
 中でも注目なのは、同社9拠点のリーシング店舗とタッグを組み、シェアオフィスから事務所へ移転する際に、同社にて仲介した仲介手数料を無料にするなど、同社の強みを生かしたサービスがあることだ。内装は「ブリティッシュ」をコンセプトとしており、テーブル・ソファといった什器類、床や壁に至るまで重厚感を意識した設えで構成。原則24時間利用が可能で、利用者は利用登録された入退室カードをかざせば、いつでも利用することができる。小出氏は「近隣にお住まいの方やお勤めの方を主なターゲットにしています。ちょっとした時間を活用してリラックスしながら仕事ができる環境を提供したいと考えています」と話す。
 利用プランは個室ブースを含めたレンタルオフィスプランと共用スペースが利用可能なコワーキングスペースプランのほか、商業登記ができるバーチャルオフィスプランを用意。専用のホームページから利用申し込みが可能となっている。小出氏は「直近で2号店の出店を虎ノ門で予定しています。今後はビルオーナーに対して、仲介のみならず空室の活用策としての提案を行います。また、施設ごとに特色を打ち出し、当面の目標としては都心に10店舗の出店を目指します。利用者には各エリアに開設される店舗のコワーキングスペースなどを自由に利用できるよう今後整備していく予定ですので、事業の拡大の基盤となれば」と話す。
 今後、利用者が各施設の共用スペースが利用可能になる予定とのことで、ノマドワーカーに代表される新しいワークスタイルに対応した施設として注目を集めそうだ。




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