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「S-GATE」が東北に初進出 「(仮称)仙台市青葉区一番町オフィス」着工

2025.01.27 11:50

 サンケイビル(東京都千代田区)は21日、オフィスビル開発計画「(仮称)仙台市青葉区一番町オフィス」を着工したと発表した。同社のオフィスブランド「S-GATE」シリーズとして開発する予定で、同シリーズの東北エリアへの展開は初。竣工は2027年3月を予定している。

 計画地は宮城県仙台市青葉区一番町。仙台のオフィス集積地・南町通に面し、商業の中心地である東一番町通との交差点にも近接する。交通アクセスは、仙台市地下鉄東西線「青葉通一番町」駅から徒歩3分、JR「仙台」駅から徒歩7分。
 建物は、敷地面積約1223㎡、延床面積約1万1379㎡、基準階面積約699㎡、鉄骨造地上12階地下1階建て。「S-GATE」シリーズのデザイン、スペック、サービスを準用し、「快適性」、「安心・安全・環境性」、「BCP対策」、「ソフト面のテナントサービス」などを充実させる計画。
 オフィスフロアは基準階面積約212坪。1フロア4分割まで可能とし、小規模オフィスニーズにも対応。屋上にはWi-Fiを完備した入居者専用のテラスを整備し、多様化する働き方に応える。また、エントランスには館銘板を兼ねたデジタルサイネージを設置し、様々な情報を配信する。BCP対策としては、電力の2回線受電のほか、オプションとしてテナントも利用可能な非常用電源も用意する。
 また、エリアで初めて「せんだい都市再構築プロジェクト」を活用する。同プロジェクトは、老朽化した建物の建替えを促し、沿道のにぎわいなどにつながるオープンスペースを有する高機能オフィスビルを供給することで、にぎわいや交流、持続的な経済成長につなげていくことを目的とした仙台市による施策のひとつ。今回は1階の店舗テナント前面に公共スペースを整備するほか、歩道状空地に面してベンチを配置。歩行者の安全を保ちながら休憩できる空間を構築するとともに、多種多様な緑も設置。ピロティも設け、オフィス利用者以外の一般利用者もコミュニケーションをとれる場所とする。
 さらに、「統合設計制度」も活用。一定規模以上の敷地に一定割合以上の公開空地を設け、総合的な配慮がなされた建築計画に容積率制限などの規定を緩和するもので、今回は高機能オフィスの整備や公開空地による道路上のにぎわいの創出が仙台市に評価された。
 サンケイビルでは、今後も街や人に寄り添うオフィスづくりを積極的に進めていくとしている。




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