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「サクラディープテック渋谷」開業 産官学連携でディープテックのスタートアップを支援

2025.02.03 11:11

 東急不動産(東京都渋谷区)は先月23日、「渋谷サクラステージ」に、ディープテック領域のスタートアップ育成・支援を目的とするコミュニティ拠点「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」を開業した。 同社は2021年7月に「Greater SHIBUYA 2・0戦略」を策定し、これまで「渋谷」駅半径2・5km圏内の広域渋谷圏において「働く」、「暮らす」、「遊ぶ」の3要素の融合を見据えたデジタル・サステナブルの基盤整備、エリアの魅力をさらに伸ばしていくためのハード開発、様々なソフトサービスの提供を進めてきた。
 「SAKURA DEEPTECH SHIBUYA」では、スクラムスタジオ(東京都港区)が運営するアクセラレータープログラムを実装。マサチューセッツ工科大学の教授がプログラムの監修を行うほか、大手企業の出資に関する協議を進め、渋谷区や東京都、海外機関等との連携を行うなど、産官学による多角的なスタートアップ支援を図っていく。
 スペース面積は約778㎡。コワーキングスペースに加え、200名規模のイベントスペース、登記可能な個室オフィス、3Dプリンター等の最新技術を導入したドライラボで構成される。今後はアクセラレータープログラムによる勉強会やイベント、有名大学のポストドクターや学生との接続機会の提供、スタートアップに対するメンタリングなどを実施していく構えだ。
 執行役員の黒川泰宏氏は「全世界で注目が集まるエネルギー、AI、ロボティクスといったディープテック領域は、社会に大きな影響を与える可能性のある高度な技術領域であり、日本でも国を挙げて大きな支援がなされています。その一方、研究開発にかかる時間、多額の資金、事業化の難易度の高さ等が大きな社会的・産業的課題となっているのも事実。ディープテック領域における日本の技術力、研究力の高さという強みを生かせるよう、様々な支援を通して広域渋谷圏からグローバルに活躍できるようなスタートアップを生み出していきたいと思います」と意気込む。




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