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噂のスクランブル 賃貸住宅管理業界の某大手 不況よそに事業部作り大儲け
1997.12.21 12:06
滞納大歓迎、遅延損害金で数億円の「売上」
年の瀬になり不況風が一層強まる中でテナントの賃料滞納に頭を抱えているオーナーも多い。だが、一方で賃貸住宅業界では入居者の家賃滞納で”大儲け”している会社もあるという。
この会社は世帯数にして1万戸以上を手掛ける日本でも指折りの大手賃貸管理会社。同社では家賃滞納に伴う遅延損害金収入が一つの”事業”になっている。
設定されている遅延損害金は年利36.5%と高率なもの。これに請求手数料を加えた「売上」が年間で数億円にも達するという。
同社では賃貸借契約時に入居者から以下のような文章を入れた念書をとっている。
「(賃料について)万一支払いが遅れた場合は必ず貴社まで御連絡するとともに、遅延損害金、請求手数料を負担いたします」
「連帯保証人は賃料滞納等に基づく債務履行に関して完全に解決するまで絶対に責任を負担します」
「必ず」、「完全に」、「絶対に」といった強い言葉が並び、実際、入居者からの回収率も高いという。
「遅延損害金の設定は、決してお金を取ることが目的ではなく、注意喚起のため」とのセリフはよく耳にするが、この会社の場合は、「遅延損害金回収は当社の業務アイテムの一つ。事業部を作り、社員を置いているので、延滞がないと困るんですよ」