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●国内施工初 鹿島「居ながら」耐震改修 経年建物と中間階免震揺れを軽減
1997.09.21 12:49
鹿島は、国内で初めて、入居者が住んでいる状態の既存建物に、免震装置を取りつける耐震改修工事を、同社の社宅で実施する。補強工事をすることで、地震の揺れを3分の1から5分の1に低減できる。
補強工事をするのは、昭和36年に完成した鉄筋コンクリート造りの5階建の集合住宅「鹿島テラハウス南長崎4号棟(東京都・豊島区)」。同建物は、阪神大震災の耐震診断の結果、新耐震基準を満たしていないことが分かり、補強をすることになった。
工事は、倉庫として利用している1階の柱をジャッキで支え、柱を途中で切断してから免震装置を取りつける中間階免震方式。工事中に地震が発生した場合に備え、一度にすべての柱を補強施行するのではなく、順次施工していく方針。
12階建マンションで試算した建設コストは、中間階免震方式の場合で、1坪当たり15万円から20万円程度になるとしている。
同社では、かねてから「居ながら免震」をテーマとしており、既存建物に対して免震化を呼びかけている。今回の同社社宅の免震工事で実績を積み、今後の営業展開に役立てていく考えだ。