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福岡市の郊外型ショッピングセンター テナント料金の「歩合制度」を導入 保証金・固定賃料廃止し売上げ一部を徴収
1997.04.21 10:54
トリアス(福岡県福岡市)では、福岡市久山町で、98年秋に開業を目指している大型ショッピングセンターへのテナント入居条件に従来の保証金、固定家賃等を廃止、売り上げ高に応じ一定料金を徴収する欧米方式の「歩合制度」を採用する。同社が手懸けるこのシステムを紹介する。
同社が現在、「保証金、固定賃料廃止」というユニークな募集を行っているショッピングセンターは、「トリアス久山」。博多駅から約10kmの距離に位置する店舗面積約6.5万平米(敷地面積約24万平米)の郊外型大型ショッピングセンターだ。店舗は総合ディスカウントストアをはじめ、生鮮市場、ファッション専門店のほか、映画館などのアミューズメントパーク等も設置、約100社(店)で構成される。
テナントとの契約形態は、「売上仕入契約」。これは売上高をトリアスで計上し、諸経費等を控除し仕入代金としてテナントに支払うもの。つまり、売上高を一度同社に全て渡し、その中から清算していくシステムだ。
仕入代金とは売上高に仕入歩率を乗じた金額。基本歩率は、テナントの取り扱い商品、営業内容により異なり、その率は基本歩率で物販85~90%、飲食・サービスで80~88%となっている。
「粗利率の高い商業テナントほど基本歩率を高く設定しています」(小林一夫開発本部長)。
契約期間は営業開始日から15年間。仕入代金の改定は、3年ごとに見直していく予定。
また出店に際しては、別途開店販売促進協賛金として1店舗あたり30万円、営業面積1平米あたり2000円を徴収する。
同社がこのようなシステムを採用したのは、テナントの入居時におけるコスト負担をできるだけ軽減し、円滑な出店を促進するため。欧米ではこうしたシステムが一般的で、同じコストで約2.5倍の店舗面積を確保することができるという。
同社では98年秋のオープンを目指し、3月7日からテナント募集を開始。4月10日に締切を終了して、現在テナント選定を行っている。